三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート エクステリア

達人「松下 宏」が斬る!

三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート 評価

松下 宏

職業:自動車評論家
中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。そのため、大本命といわれている車種さえ外して...

エボX譲りのルックスとエンジンで本格的な走りを実現した!

三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート 走り

 ギャランフォルティスにラリーアートが追加された。三菱がギャランとランサーを受け継ぐモデルとして投入したラリーアートは、快適性志向のエクシード系と、ややスポーティな味付けをしたスポーツ系とがラインナップされていた。
 ほかにランサー エボリューションXがあって、全体的なラインナップを構成していたが、今回ギャランフォルティスに追加されたラリーアートは、スポーツ系とエボXとの中間を受け持つモデルとして設定されたもの。
 ギャランフォルティスはスポーツとはいえエクシードと同じ自然吸気エンジンを搭載するだけだったので、よりスポーティなモデルを求める声があった。といってもエボリューションXとなると過激すぎて日常ユースには使いにくい、そんなユーザーの声に対応したのが今回のモデルである。
 搭載エンジンは直列4気筒2.0LのDOHCターボで、これだけを見るとエボX用のエンジンと同じことになるが、実際には大きく異なっている。ターボがツインターボからシングルターボに変更されたことなどによって、パワー&トルクの数値も240ps/35.0kg-m(177kW/343N・m)に抑えられているから、エボXに比べると40ps/8kg-m(29kW/79N・m)ほど低い数値になる。組み合わされるトランスミッションは2ペダルのツインクラッチSSTのみの設定だ。

三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート フロント
スポーツ系とランエボXの中間を受け持つモデルということで、エボX風のルックスが与えられている。バンパーの形状はラリーアート専用だ。
三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート リヤ
リヤまわりのデザインもランエボXを思わせる。だがフェンダーはぶりスター形状ではなく、通常のギャラン フォルティス同様の控えめなもの。
三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート 18インチタイヤ
大人のためのスポーツにふさわしいデザインが印象的な18インチのタイヤ&アルミホイールが標準装備。ブレーキはブレンボ製ではない。
三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート フロントマスク
ボンネットはランエボXと共通のダクト付きのものを装着。バンパー形状はエボ風に見えるが、ラリーアートのロゴが入った専用品となる。
三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート リヤスポイラー
大きめのリヤウイングが印象的だが、これでもサイズはランエボXよりもかなり控えめ。それでも空力効果などはしっかりと考慮されている。
三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート 2リッター ターボ エンジン
エンジンは基本的にはランエボXと共通。だがターボがシングル化されるなど、パワーよりも日常ユースを重視したセッティングが与えられている。

大人のためのスポーツにふさわしいしなやかな足まわり

三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート 走り

 ラリーアートを走らせた印象は、まさにスポーツ系とエボXとの中間的なイメージだ。というか標準エンジンを搭載したスポーツ系に比べると格段にパワフルな走りを実現するが、エボXほど過激な走りではなく、大人のスポーツといった印象がある。
 シングルスクロールターボに変わったこともあって、低速域でのトルクはさほどではなく、3000回転の上というか本格的にトルクが盛り上がってくるのは3500回転の上くらいからになる。そこからのターボの効きによる加速の伸びは十分に気持ち良いものだ。
 ツインクラッチSSTの設定はエボXと違ってスーパースポーツがなく、スポーツとノーマルだけになるが、スポーツを選ぶと低速域でも3000回転以上を維持してアクセルを踏み込めばすぐにトルクが盛り上がる設定。走りを楽しみたいときにはスポーツを選び、ふだんはノーマルで走れば良い。
 足回りは意外に乗り心地が良いと言ったら妙な言い方になるが、変な硬さがないのに驚かされた。というのも、標準のギャランフォルティスのスポーツが妙に硬めの足回りを採用していて、ファミリーセダン的な感覚から離れていたからだ。ラリーアートはもっと硬いだろうと思って試乗したら、意外に乗り心地が良かったわけ。
 開発関係者に聞くと、初期のスポーツ系の足回りには反省もあったようで、今では乗り心地を良くする方向での改良が加えられているという。それを踏まえての今回のラリーアートの足回りだったようだ。
 4ドアセダンが売れないご時世だが、こんな感じのスポーツモデルがあると、若い頃に走りを楽しんだユーザーが購入の対象に考える可能性はあると思う。子供が離れてミニバンなどが必要なくなったユーザーがターゲットというのも分かる気がする。
 本体価格ベースで300万円弱という価格設定は、これまたちょうどスポーツとエボXとの中間的な位置にある。

三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート インテリア
インテリアのデザインは通常モデルと共通のもの。ナビの画面も見やすく、エアコンのスイッチ類も操作しやすいので使い勝手はとてもいい。
三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート フロントシート
ランエボXのような本格的なバケットシートではないが、サイドのサポートなどホールド性は高い。スポーティな走りにもしっかり応えてくれる。
三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート リヤシート
リヤシートは足元のスペースにもゆとりがあり、快適な移動空間といえる。3点式シートベルトも人数分装着され、安全面でも文句はない。
三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート メーター
260km/hスケールのスピードメーターがスポーティな雰囲気を高めてくれる。中央のインフォメーションディスプレイの表示も見やすい。
三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート シフトレバー
ツインクラッチSSTはランエボとは異なり、スーパースポーツモードはない。だがスポーツモードでも十分走りを楽しむことはできる。
三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート ラゲッジ
ラゲッジスペースはこのクラスのセダンとしては十分余裕がある。トランクスルー機構も装備しているので、長尺物の積載も可能だ。
三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート 走り
三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート 走り
三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート 走り

written by 松下 宏

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代表グレード
三菱 ギャラン フォルティス ラリーアート
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4570×1760×1490mm
車両重量[kg]
1530kg
総排気量[cc]
1998cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
240ps(177kw)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
35.0kg-m(343N・m)/3000rpm
ミッション
6速ツインクラッチSST
10・15モード燃焼[km/l]
10.2km/l
定員[人]
5人
税込価格[万円]
298.2万円
発売日
2008/7/9
レポート
松下宏
写真
森山良雄