ポリラック

 最近、あるカークラブのミーティングに出かけた際、参加メンバー達から是非使ってみて感想を聞かせてほしいと言われたのが、ドイツ製コーティング材「ポリラック」。もちろん、同製品の存在は知っていたボクでしたが、“天然カルナバ党”がジャマをして、コーティング材に対し、どうも好印象を持っていないのがホンネでした。
 その理由としては、扱いが難しい。銘柄、素材などが短いサイクルで変わる。そして、人体や環境に好ましくない素材が含有されているなどでした。
 しかし、「ポリラック」は1963年ドイツで誕生して以来、変わらぬ姿で愛され、日本国内でも今年で販売17年目を迎えるロングセラー商品。多くの信者が存在するのも品質の確かな証明といえます。また、環境問題先進国ドイツならではの高い安全性で、人体や環境にも有害な素材の含有は皆無ということです。
 では、ドイツ製品には、ドイツ車ということで、最近、塗装がクスんできた愛車でその品質をチェックしてみることにしました。

ポリラック施工スタート

基本の水洗いからスタート
ホコリなどの粒子状物質を洗い流す。今回は時間短縮のため高圧洗車を敢行。
ポリラックを適量布地に取る
塗装に残った水分を拭き取ったあと施工を行う。塗布には布地を使う事が記されている。
ポリラック塗布
パネルごとに直線的な動きで塗り込んでいく。布地を湿らせた方が作業効率が良い。
ポリラック塗布
力を入れる必要はなく、滑らすような感覚で、塗布していく。引っ掛かりを感じたら水で布を絞る。

 基本である洗車を行い(必要に応じてカーシャンプーを併用。)塗装面に付着した粒子状物質を除去したあと、合成セームなどで塗装面に残った水分を拭き取り、「ポリラック」施工に入ります。通常のコート材は、スポンジでの塗布が一般的ですが、「ポリラック」は水を固く絞った柔らかい布に適量(一パネル500円玉大)取り、ボディを優しく擦るだけで塗布が可能です。いきなり塗って下地処理はしないの?心配ご無用!「ポリラック」は、塗装面を痛めずに、カーシャンプーでは歯が立たない水垢、酸化塗装、磨き傷などを除去してくれます。その驚くべき効果は、次の工程をご覧ください。

汚れ落とし効果は特筆モノ!

ポリラック汚れ落とし効果
一回目の塗布では布地が真っ黒になるほど汚れが除去できた。
ポリラック汚れ落とし効果
二回目の塗布でもまだ布地に汚れが付着している。
ポリラック汚れ落とし効果
三回目の塗布でようやく布地に汚れが不着しなくなった。
ポリラック汚れ落とし効果

 ↑手前側が「ポリラック」の塗布を行い、布地に汚れが付かなくなるまで三回の作業を繰り返した塗装面です。明らかにクスミが取れ、リフレッシュされたのがお判りいただけると思います。単に布地で塗装面を優しく擦っただけなのですが、面白いように汚れ、細かい磨き傷が除去できます。これなら、下地処理など必要ありませんね。

 塗装全体に塗布が終了したら、定着のため30分ほど乾燥をさせます。乾燥時間が不十分だと、拭き取りが重くなるほか、皮膜の持続性が低下するとの事です。このあたりは天然系のワックスとは逆ですね。
 
 「ポリラック」が乾燥する間に、樹脂部分のケアを行いました。

ポリラック・プラスティックケアで未塗装部分を保護

ポリラック・プラスティックケア
ポリラックの姉妹品であるプラスティック専用コート材「プラスティックケア」は無色透明の液体である。
ポリラック・プラスティックケア塗布
未塗装部分のバンパーなどに最大の効果を発揮。塗布した部分は、新品のような光沢が蘇った。
ポリラック・プラスティックケア塗布
夏場の紫外線で色あせ、ひび割れが発生しやすいダッシュボードにも最適。サラッとした仕上がりだ。

 「ポリラック」には、プラスティック専用のコーティング材「プラスティックケア」があります。塗装面専用の「ポリラック」は、白い乳液状のため、ウレタン素材など未塗装部分には塗布できませんが、「プラスティックケア」は透明な液体。少ない量で広範囲の施工が可能です。毛羽立ちのない布地で塗布し、しばらく乾燥させ、拭き取れば、耐久性のあるサラッとした艶が再現できます。

ラップを貼ったような艶はガラス系じゃなくてビニール系!?

ポリラック施工後 写り込み
ポリラック施工後 眩い光沢

 30分というやや長い乾燥時間が気になりますが、拭き取りは非常に楽で、柔らかい布地で叩き落とす感覚で、仕上げていきます。テスト車はムラの発生が目立つ濃色車ですが、まったくもって確認できません。

 光沢は天然カルナバ系とも、今流行りのガラス系とも違った独特のもので、“ぬるっと”したものです。そのため、塗装面への写り込みはハンパではありません。下地処理効果で平坦化された上に、コーティング効果によって乱反射を抑えた結果といえます。
 手で施工した塗装面に触れてみますと、しっかりとした皮膜感が確認でき、まるで一枚ラップを貼り付けたような感触です。事実、「ポリラック」の皮膜は弾力性があり、飛び石や小枝などの接触から塗装面を保護する効果もあるそうです。

 施工を行いたいときには、いつでも作業ができ、皮膜を塗り重ねる事も可能。耐久性も最高180日間持続するいうことですので、青空駐車の環境下で常に美しい光沢を求めるユーザーには最適です。 
 クルマ同様、カーケミカルもさすがドイツ製。謳い文句と実際の効果が大きく異なるどこかの国の製品軍とは違い、満足のゆく性能に大満足の結果といえます。
 「ポリラック」。ボクのコーティング材に対するイメージを大きく変えてくれましたね。
  
 

written by 外川 信太郎