マザーズ カリフォルニアゴールド・ピュアカルナバワックス

 ボクが数年前、アメリカ西海岸で行われたコンクースド・エレガンス(クルマのコンディションを競うイベント)の取材を行った際、1966年製のフォルクス・ワーゲン「カルマン・ギア1500」の前で足が止まりました。イタリアとドイツの合作である流麗なエクステリアが際立ったブラックのボディに思わずうつつを抜かし、オーナーに話し掛けると、「このクルマ、オヤジから引き継いで乗っているんだ。俺の宝物だね。」と満面の笑みを浮べ青年は答えてくれました。ボクが、「この艶、タダモノではないですね。ワックスにもこだわっているのですか?」という回答に、「俺みたいな若い奴は、他の参加者みたいに$300だの、$500といった超高級カルナバワックスは手に届かないんだ。でも、この艶、グレートだろ?」といって見せてくれたのが、アメリカ、マザーズ社の 「カリフォルニアゴールド・ピュアカルナバワックス」でした。

 マザーズ社は日本では馴染みの薄いブランドですが、アメリカ本国ではカーワックスブランドとして半世紀以上の歴史を持ち、多くのファンが製品に絶大な信頼をおいています。中でも、最大の特徴である、まばゆいばかりの艶が、往年のフルサイズカーや、オールドフォルクスワーゲンオーナー達を虜にしているのも、事実です。

 西海岸で「カルマン・ギア1500」を誇らしげに磨き上げていた青年が見せてくれた「カリフォルニアゴールド・ピュアカルナバワックス」。そのド派手な艶を自ら味わいたいという事で、色々調べてみましたところ、アメリカンホットチューンやカリフォルニアスタイルを提唱する「ムーンアイズ」が取り扱っているとの事。早速取り寄せて、日本のカリフォルニア、ここ湘南で磨きこんでみました。

何はともあれ、まずは洗車

まずは洗車を
十分な水量を使い、粒子状の汚れを洗浄。
塗装の汚れ具合でカーシャンプーも
塗装の汚染度合いによってはシャンプー洗車。

 ワクシングの前に洗車を行い、塗装表面に付着した粒子状物質を除去しておきます。「カリフォルニアゴールド・ピュアカルナバワックス」は、水滴の残った塗装面には塗布できないため、合成セームなどを使い、きれいに水分を拭き取っておく必要があります。

純度の高いイエローカルナバ含有にも関わらず作業性は高い

マザーズ カリフォルニアゴールド・ピュアカルナバワックス
マザーズ カリフォルニアゴールド・ピュアカルナバワックス塗布
タテ、ヨコ、タテのスパーンで素早く塗りこむ。乾燥は不要。
マザーズ カリフォルニアゴールド・ピュアカルナバワックス拭き取り
生乾きの状態で柔らかなネル地を使い拭き上げる。

 一般的にカルナバワックスといえば固形が常ですが、この製品はドロッとした液体。成分は、ブラジル産イエローカルナバ一号を主原料とし、化学薬品の含有は皆無です。スポンジに取りますと、香料でもごまかしきれない石油系溶剤の臭いは一切しません。純粋な天然素材であることは、すぐに理解できました。
 液体であるため、塗布は非常に楽。まるでオイルを伸ばしているかのようにスムースで、小さじ一杯ほどの量で、ドア一枚を仕上げることができます。
 しかし注意も必要です。高濃度のカルナバは、即硬化を始めますので、ある程度乾燥してしまいますと、拭き取りが非常に重くなります。この製品の場合、各パネルごとに塗布を行い、生乾きの状態でネル地を使い拭き上げるという手法がベストです。

アメリカ人好みの艶やかな仕上がり

マザーズ カリフォルニアゴールド・ピュアカルナバワックス施工後
マザーズ カリフォルニアゴールド・ピュアカルナバワックス施工後

 丹念に拭き上げを終えた塗装面は、数年前にアメリカ西海岸で見たド派手な艶そのもの。まるで、施工車「トゥインゴ」のピンクが濃くなったような発色です。艶の出方には、それぞれ好みがあるとは思いますが、ボクのクルマのような、個性の強いカラーには、最適です。
 もちろん、艶だけではありません。高濃度のカルナバを含有しているだけの事はあり、保護性能も大したもの。施工後、関東地方は記録的な大雨に見舞われましたが、翌日の洗車でも、ビンビンの撥水効果は衰えておりませんでした。

 底抜けに明るいカリフォルニアの青空に生えるこの艶、日本でも他を圧倒する激艶を手に入れたいのでしたら、是非ともお試しあれ!

マザーズ カリフォルニアゴールド・ピュアカルナバワックス 16oz.(473ml)  価格 2,940円 (税込)

written by 外川 信太郎
職業:自動車ライター&カーグッズライター