5月14日、東京・有明のパナソニックセンターで、「”Panasonic Strada F class” 2008年夏モデル 新製品発表会」が開かれた。「Strada(ストラーダ)」とはパナソニック・カーナビゲーションシステムの名称。その中でもHDDナビ「F class(エフクラス)」は最上級モデルに位置づけられている。
パナソニックではこのFクラスを単なるカーナビではなく「カーナビステーション」と呼ぶ。カーナビゲーション機能に加え、エンタテイメント機能を組み合わせていることからこの名が付く。もちろん総合家電メーカーとしての強みも最大限に生かしている。それが、従来から掲げてきた「クルマは第二のリビングルーム」 と主張する“From Home to Car”のコンセプトだ。
新型Fクラスではこの思想をさらに進化させ、家庭の電化製品(もちろんパナソニック製品に限る!)とのリンク機能を強化している。新型「Fクラス」に標準装備のBluetooth機能を用いて、携帯電話の通信機能で外部機器との連携を図るというものだ。
例えばインターネットを用いた松下電工の戸建て住宅用ネットワーク「ライフィニティ」との連携で、車内から自宅のエアコンや照明などのON/OFF操作や鍵の施錠確認をしたり、自宅のコントロールパネルへ帰宅する旨をつたえる「かえる通知」などが出来る。
また自宅に設置したネットワークカメラの静止画を「みえますねっと」を介してナビ画面で確認したり、DVDレコーダー「DIGA」の予約録画を画面で操作する「ディモーラ」にも対応するなど、様々な連携が考えられているのだ。
Fクラスの雑誌やTVCMでの宣伝コピーは『日本発!家の中が見えるナビ』。ストラーダFクラスを、第二の自宅のための「家電」として扱って欲しいというパナソニックの想いが伝わってくる。
もちろんストラーダFクラスは、ナビゲーションやAV機能も更なる充実が図られている。モニターは家庭用ハイビジョンデジタルテレビ「ビエラ」の高画質処理技術を投入。さらに車載用として特化したチューニングを図り、日中の日差しや映像の明度などの外的要因に対しても最適な画面表示を可能とした。昨年モデルで話題を呼んだフルセグ地デジ対応デジタルチューナーは小型化され、本モデルではナビ本体へと内蔵されるようになった。これは取り付け作業の手間の違い、すなわち時間換算で計算される作業工賃にも影響することで、地味ながら大きなニュースである。
オーディオの音質については、レコーディングエンジニア集団「MIXER’S LAB」が音作りを監修した「音の匠モード」を装備し、スタジオサウンドに忠実な音を再現する。いっぽうで中音域を下げて車内での会話も楽しみつつ高音質を維持することが可能な「いい音でスムーズトーク」モードも用意する念の入れようだ。
発表会場に用意された装着車で実際に試聴してみると、この手のサウンドチューンにありがちな分かりやすさゆえの「作り物」っぽい不自然な違和感もなく、とても自然で奥行きあるサウンドに仕上がっていたのが印象的だった。いっぽうで「スムーズトーク」モードに切り替えてみると、それまで大声を張り上げていた説明員の方と自然なトークをすることが出来て、かつキレイなサウンドはそのまま、という状態が実感出来た。なるほどとても有効なモード切替えだ。ただし残念ながらこの操作は、メニュー画面からでないと出来ない点がとても惜しい。ぜひ次期モデルではナビ画面からでもワンタッチ操作で切り替え出来るようにして欲しいところだ。
ナビ画面は地図、メニュー画面ともにデザインを一新。アンチエイリアス処理により昨年モデルよりキレイで分かりやすい描画とし、ギザギザ感を解消し視認性を高めている。この地図画面の品質の高さは、特に従来モデルを使用しているユーザーこそ必見だ。
このストラーダFタイプ、インダッシュタイプCN-HX1000D、2DINタイプCN-HW1000Dともに小売希望価格は354,900円(消費税込み)。正式な発売日はインダッシュタイプが6月13日、2DINタイプが6月20日からとなる。