ルマン24時間耐久レースで勝利を目標に「908 HDi FAP」3台を投入

 プジョーの2007年シーズンは、ファクトリー体制を敷いた「908 HDi FAP」を筆頭に、「207 LW THP」、「207 スーパー2000」、そして「スパイダーTHP」といった入門用(promotional)フォーミュラに至るまで、計4種類の新車を世界のモータースポーツシーンに送り出した。
 2008年シーズン、908 HDi FAPの目標は、ルマン24時間耐久レースで勝利することだ。テスト、シミュレーション走行、レース本番など、チームが遠征するときは必ず、「908 HDi FAP」を性能と信頼性の両面で進化させるニューパーツや改良箇所の検証が行なわれている。またこれらは、2008年シーズンを戦うドライバーたちが、マシンに慣れるための絶好のチャンスでもある。
 また、チーム・プジョー・トタルは、3月にセブリングで開催される12時間耐久レースに備え、1月28日から30日までの3日間、アメリカにあるこのサーキットで冬季テストを実施した。ペドロ・ラミー、ニコラ・ミナシアン、ステファン・サラザンの3人全員が参加し、とりわけサラザンはコースレコードを更新するなど絶好調。セブリング12時間は過酷なレースだが、このレースにより「908 HDi FAP」の開発はさらに進むことになりそうだ。
 さらに、プジョー・スポールは、悲願達成のためにあらゆる資源と労力を注いでおり、2008年のルマン24時間には3台の908 HDi FAPを投入する予定。どの車に誰が乗るのかは、各ドライバーのスタイルや取り組み方、またそれぞれの相性を見きわめたうえで、5月に発表となる。

 ルマン・シリーズでは、プジョーはもちろんタイトルを防衛するつもりでいる。2007年と同じく、2008年も2台の「908 HDi FAP」が、プジョーとパートナー各社のために戦うことになるだろう。ヨーロッパをまたにかけたこのシリーズは、バルセロナ、モンツァ、スパ、ニュルブルクリンク、シルヴァーストンの全5戦での開催が予定されている。2007年シーズンは2台体制で挑むことで最高の結果を得たので、2008年も同様の相乗効果が期待されている。
 なお、スケジュールがタイトなため、ポール・リカールで3月2、3日に行われる公式テストにチーム・プジョー・トタルは参加できない見通しだという。
 また、外装はカーボンを基調としていることに変化はないが、908 HDi FAPのスタイリングはさらなる進化を遂げている。スティル・プジョーが生み出したデザインは、空気と燃料の流れを表現しており、ヘッドライトに始まるラインがエアインテークを抜け、「HDi FAP」と刻印されたエンジン・カバーまでつづいている。なおカラーリングについては、7号車はレッド、8号車はブルー、9号車はグレーを基調としたものになる予定だ。