アウディ A6アバント 2.8 FSIクワトロ S-Line エクステリア

達人「松下 宏」が斬る!

アウディ A6アバント 2.8 FSIクワトロ S-Line 評価

松下 宏

職業:自動車評論家
中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。そのため、大本命といわれている車種さえ外して...

新型 V6 2.8 FSIエンジン搭載

アウディ A6アバント 2.8 FSIクワトロ S-Line フロントグリル

 アウディA6はセダンが2004年にデビューした後、2005年にステーションワゴンのアバントが追加された。その当初はベースモデルに2.4Lエンジンを搭載したFFをラインナップしていたが、2007年8月にこれに代わって2.8LのFSIエンジンを搭載したフルタイム4WDのクワトロモデルを設定してきた。これによってA6アバントは全車がクワトロになったわけで、モデルの性格がはっきりしたと思う。
 新開発の2.8LエンジンはFSI(直噴)仕様によってパワー&トルクに優れるほか、新しいバルブリフトシステムを採用することで、燃費面でも優れた性能を発揮する。
 A6アバント2.8FSIクワトロは、新エンジンを搭載したクワトロモデルということなので内外装のデザインについては基本的に従来からのA6アバントと変わらない。最近のアウディに共通する大きく口を開けたようなアグレッシブなフロントグリルのデザインや、インストセンターの部分を運転席側にやや傾けたドライバーオリエンテッドのインテリアデザインなど、アウディらしさが維持されている。

アウディ A6アバント 2.8 FSIクワトロ S-Line リアシート
2845mmものロングホイールベースのおかげで、クラス随一の非常にゆったりした足元スペースを持つA6 アバントのリアシート。ただしフロアトンネルは大きめだ。
アウディ A6アバント 2.8 FSIクワトロ S-Line フロントシート
「S-line」パッケージにはフロントスポーツシート+専用本革・クロス仕様が装着される(※写真のモデルにはさらにSEパッケージが加わりミラノレザーの本革仕様となっている)。
アウディ A6アバント 2.8 FSIクワトロ S-Line インパネ
また「S-line」には、マルチファンクション&パドルシフト付きの専用3スポーク本革ステアリングや、フィニッシュピアノブラックウッドパネルなども装着される。

シリーズ最小エンジン、しかし走りに全く不満はナイ!

アウディ A6アバント 2.8 FSIクワトロ S-Line 「2.8」エンブレム

 A6アバントにはほかにV型6気筒3.2Lエンジンが、セダンにはさらにV型8気筒4.2Lのエンジンも搭載されているので、2.8LはA6では最も小さな排気量になるが、それでも直噴仕様で154kW(210ps)のパワーを発生するだけに動力性能的に不満はない。ティプトロニック仕様の電子制御6速ATとの組み合わせによって気持ち良い加速の伸びを示す。クワトロであることの重さも全く苦にしないパワフルな走りである。

 足回りは相当に硬めの印象だ。試乗車にはオプションのSラインパッケージが装着されていて、18インチの40タイヤやスポーツサスペンションという仕様だったため、硬めの印象も当然という感じの乗り心地。BMWのMスポーツパッケージほど硬くはないが、並みの日本車とは違うレベルの硬さだ。

アウディ A6アバント 2.8 FSIクワトロ S-Line V6 2.8 FSIエンジン
新たに「アウディバルブリフトシステム」を搭載する2.8リッター V6 FSIエンジン。
アウディ A6アバント 2.8 FSIクワトロ S-Line 18インチホイール
2.8「S-line」パッケージには写真の9本スポークアルミ+245/40R18タイヤが装着される(標準は17インチ)。
アウディ A6アバント 2.8 FSIクワトロ S-Line 電子制御6速AT+ティプトロニック
電子制御6速ATにはマニュアル操作が可能な「ティプトロニック」も装着される。
アウディ A6アバント 2.8 FSIクワトロ S-Line リアビュー

 4WDなので後席中央のフロアトンネルは大きいが、ラゲッジスペースの広さは十分。ボディも大きめだが、スクエアでフラットなラゲッジスペースは4WDであることのデメリットを全く感じさせない広さがある。しかもフロアにレールや固定用のキットなどが用意されているので、ステーションワゴンとしての使い勝手も高いレベルにある。

 A6アバント2.8TSIクワトロの価格は本体価格ベースで668万円。試乗車にはスポーティな仕様を備えたSラインパッケージや本革シートなどのSEパッケージ、さらにオートマチックテールゲートを備えており、オプション分だけで96万円になる。合計の車両価格は764万円。メルセデス・ベンツEクラスやBMW5シリーズに比べるとやや安いが、簡単に手の出る価格ではない。

アウディ A6アバント 2.8 FSIクワトロ S-Line 荷室
広大なラゲッジルームには荷物固定などのアレンジが可能な「フィックスキット」が標準装備される。
アウディ A6アバント 2.8 FSIクワトロ S-Line 走り
アウディのワゴン名「Avant」とは「前衛的な、一歩先行く」の意味。まさに一歩先ゆく優美なフォルムだ。
アウディ A6アバント 2.8 FSIクワトロ S-Line 走り
独特の凄みと迫力を生む「シングルフレームグリル」。遠く見てもすぐにAUDIだと分かる顔だ。
アウディ A6アバント 2.8 FSIクワトロ S-Line 走り

written by 松下 宏

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試乗車
アウディ A6アバント 2.8 FSIクワトロ S-Lineパッケージ
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4935x1855x1455mm(S-Line)
車両重量[kg]
1790kg
総排気量[cc]
2772cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
210ps(154kW)/5500-6800rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
28.6kg-m(280N・m)/3000-5000rpm
ミッション
ティプトロニック電子制御6速AT
10・15モード燃焼[km/l]
9.3km/L
定員[人]
5人
税込価格[万円]
668.0万円(※標準仕様)
発売日
2007年8月29日
レポート
松下 宏
写真
和田 清志
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