クルマのシート素材で最も多く使用されているファブリック素材。耐久性や保温性に優れ、デザインの自由度も高い事から、現在ではカラーや形状も豊富になりました。
このファブリックシートは、本革素材のようにデリケートではないため、意外とお手入れを疎かにしている傾向にあり、その多くは掃除機をカンタンにかける程度です。しかし、運転しているときには常に身体が触れ、洋服の繊維汚れ、乗降の際に進入する埃、車内での飲食時に誤ってこぼしてしまったシミなど、実は汚れの温床なのです。
これからお伝えする方法を実行していただければ、ファブリック素材の色合いや風合いが復活し、腰をおろした際もふんわり爽やか。
夏場にこの作業を実行するのは、灼熱地獄で、とてもオススメできるものではありません。寒いこの季節ですが、水を使うわけではありませんので、じっくり作業するには最適なのです。さあ、はじめましょう!
まずは、車内清掃の基本である掃除機掛け。シガーライターソケットを電源とするハンディタイプではパワー不足です。家庭用の掃除機にブラシ状のノズルを装着して、シートの布地からホコリを掻き出す感覚で作業をします。(先端が鋭角のノズルでは、樹脂部分に当たって傷をつける場合がありますので要注意。)
次にどこの家庭でもあるフローリングや、カーペットなどの汚れ落としに効果的なマルチクリーナーをシート座面に吹き付けます。(ここでは花王のかんたんマイペットを使用しました。300円程度と安価でしかも効果的です。)すぐさま、毛羽立ちの少ない清潔な布でやや力を入れながらシートの隅々まで擦ります。すると、掃除機では除去できなかった染み付いた汚れが、面白いように布に取れます。使用した製品は、除菌効果もありますので、わざわざ自動車専用のシートクリーナーを購入する必要はありません。
さて、掃除機、クリーナーを使用してもまだ取れない汚れがあります。それは、衣類とシートが摩擦することで付着する綿ボコリです。
一般的には、粘着性のローラーなどを使用して除去する方法がありますが、私が多々試してもので最も効果的だったのが、スーツなどに付着したホコリを除去する通称「エチケットブラシ」です。
その効果は上記の写真をご覧になっていただければ一目瞭然です。汚れが絡み付いた部位に対して、一方方向に軽く擦るだけで、きれいさっぱり除去できます。ちなみに前後のシートを「エチケットブラシ」で擦ってみますと、ブラシ面が真っ白になるほどごっそり綿ボコリが取れました。コレは気持ちがイイです。
この「エチケットブラシ」、一度使うとファブリックシートのケアには欠かせないツールになる事は間違いありません。ホント重宝しますよ。(100均ショップでも入手できます。)
ドアを開けると、色合い、風合いの復活した清潔なドライバーズシートが迎えてくれます。作業自体はさほど骨の折れるものではなく、それでいてやり終えた満足感は非常に高いファブリックシートのケア。自分だけではなく、家族、恋人のためにもきれいなシートでドライブをしたいものですよね。さあ、早速この週末にでも、実践してみてください。