デリケートなメーターパネルもしっかりケア

 ダッシュボードやステアリング周りはこまめにお手入れしている方も、メーターパネルは埃だらけというクルマをよく見かけます。昨今のメーターは、車両データーを表示するマルチファンクションディスプレイを搭載していたり、メーターの指針駆動に電子式のモーターを使用している関係、パネルの裏には、多くの電気回路があり、テレビなどのディスプレイ同様、帯電しやすく埃が付きやすいのも事実です。
 メーターパネルには、マルチリフレクター式ヘッドライトの表面素材と同様、ポリカーボネイトなどが使用されています。(一部ですが、無反射ガラスを採用したクルマもあります。)いくら柔らかい布を使用したとしても、ホコリが付着していれば、細かい傷を刻み、クスミの原因にもなります。また、太陽光に含まれる紫外線が原因で黄ばみが発生。どことなく古ぼけた印象になってしまいます。

  今回は、具体的にどのようにメンテナンスをしていいのか、いまいち判らなかったメーターパネルのメンテナンス方法をお伝えします。
 

Step�:エアブローを使い埃を吹き飛ばす

カメラやPCのお手入れでおなじみのエアブローで埃を一気に吹き飛ばす

 まずは、メーターパネル表面に付着しているホコリを光学機器などのメンテナンスに用いるエアブローで一気に吹き飛ばします。付着している埃は、ファブリックシートやマットなどの繊維埃のほか、乗り降りをする度に、車外から進入する砂埃があります。ウカツに拭いたりしますと、すぐに傷付いてしまうとてもデリケートな素材ですので、取り扱いは注意が必要です。

Step�:超微粒子のコンパウンドで小傷を除去して透明度を回復

極細繊維のネル地に超微粒子コンパウンドを少量取る
柔らかい極細繊維のネル地に指先ほどの量の超微粒子コンパウンドを取る。
タテ、ヨコ方向で表面を研磨
指先でネル地を押さえながら、タテ、ヨコの動きで、やや力を入れながら研磨。

 きれいに見えても、背後から日差しを受けて走るような時には、メーターパネルに太陽光が反射して細かい傷が一面に見えることがあります。これは、何気なく拭いた際に刻んだ磨き傷が原因です。「素材がガラスだから平気でしょう?」と思われている方も多いと思いますが、現在のクルマは、衝突時の安全性を考慮して、メーターパネルにガラスを採用しているクルマは、大変少なくなりました。
 
 小傷除去には、必ず超微粒子コンパウンドを使用し、併用する布は極細繊維のネル地を使用します。コンパウンドの選択に不安な方は、以前にもお伝えしましたが、聴かなくなったCDの裏面を磨き、磨き傷が残るものは避けましょう。

Step�:プラスチック専用コート剤で保護

プラスチック専用のコート剤を吹き付ける
プラスチック専用のコート剤を適量噴射する。塗布する面積が狭い場合は、一度、ネル地に取る。
伸ばしながら、拭き取る
極細繊維のネル地で液剤を均等に伸ばしながら拭き上げる。仕上げ工程なのであくまで優しく。

 超微粒子コンパウンドでメーターパネルの小傷、くすみを除去した後は、埃の再付着防止、劣化の抑制、そして更に透明度を得るために、プラスチック専用のコート剤を塗布します。コンパウンドで除去できなかった傷にもコート剤が入り込み、傷を目立たなくしてくれます。

透明度が増し視認性が向上

透明度が回復したメーターパネル

 10年が経過し、くすんでいたメーターパネルが、クリアな状態に復活!周囲のパーツが写り込んでいる程です。夜間照明時も、小傷が消えたことで、乱反射が抑えられクッキリ感が増し、視認性も向上しました。

 愛車を運転している際に最も長く眺めているモノといえば、周囲の景色、各ミラーそして、メーターです。クルマのメッセージを教えてくれるメーター類もキッチリお手入れしてあげましょう!

written by 外川 信太郎