カルナバワックス

カルナバって一体何なのさ〜

 カー用品店の洗車コーナーに行くと必ずといっていいほど目にする「カルナバ」という文字。“カルナバ100%配合”“カルナバの激艶”など何とも派手なキャッチコピーが並んでいますよねえ〜。そこまで誇らしげに配合を謳う「カルナバ」って一体何なのさ?と思いません??ボクも洗車ヲタク(一応プロですけど。)になる前は、「カルナバよ、お前はそんなにスゲーのか?」といつも疑問に思っておりました。

 「カルナバ」とは南米に樹生する「カルナバ椰子」の葉から採取できる蝋(ろう)のことをいいます。椰子の実がなっているあの木をイメージしてくださいね。「カルナバ」には葉の若さや採取時期などによって、カルナバ一号、二号、三号といったようにランク付けされており、当然、一号が最も品質が優れた蝋になります。
 この「カルナバ」実は、カーワックス以外にも、食品や化粧品にも使用されるほど安全性の高いものなのです。(天然の葉っぱなんだから安全だろ!って)
 もちろん、靴のクリームや床のワックスにも配合されており、保護剤としての需要が最も高いといえます。

 「カルナバ」を製品に配合するのには、まず抽出が必要になります。採取した「カルナバ椰子」の葉をじっくりと大きな鍋のようなもので煮詰めていき、最後に残った成分がカルナバ製品の原料となる濃縮された樹液なのです。これを乾燥させてチップ状にしたものが、純粋のカルナバ100%なのです。

 いかに品質の良いカルナバを配合しているかでカーワックスの性能(光沢、持続性、安全性)が決まると言えます。

高品質なカルナバほどキレイな白色をしている

カルナバワックス一号を使用したワックス

 「カルナバ」がランク付けされていると先程説明しましたが、カルナバ一号と呼ばれている最も高品質なものは、ピチピチの若い葉から採取されます。人体に関わる食品や化粧品そして、高級カルナバワックスにも使用されております。
 カルナバ一号は、真夏のビーチで香るサンオイルのような甘〜い香りと、キレイな白が特徴です。

カルナバワックスが長年支持される理由とは?

 以前にも、書いたことがありますが、カーワックスの銘柄は、デジカメやパソコン以上にモデルチェンジが早く、購入した製品を使い切る頃にはすでにその製品は製造中止になっているケースがほとんどです。しかし、カルナバ主成分のワックスはなぜ長年愛用されるのでしょうか?それは、消費者を虜にする深い艶としっとりした手触り。これは、化学薬品てんこもりの商品では決してまねのできないものなのです。また、手肌や人体に対する安全性、降雨などで流出した際、環境への安全性などが挙げられます。
 
 クルマと対話しながら、じっくりとワクシングをする・・・。ある調査では、頻繁にクルマを手入れするドライバーの事故発生率は、ほとんど手入れをしないドライバーと比較した場合、段違いの差があると聞いたことがあります。今後、損保に「美車特約」でも付けてもらいたいものですね〜(笑)

カルナバ含有率の表示にだまされるな!

カルナバワックス含有率表示
カルナバワックス含有率表示

 さて、最後にカルナバの含有率の話をしましょう。よく“カルナバ100%”なんてありえない表示をしている製品も見かけますが、カルナバ100%は、先程も記しましたとおり完全なチップ状です。
 製品(缶)の中が全て「カルナバ」というわけではなく、100%のカルナバチップがたとえ1%でも含有してあれば、このような表記になってしまうのです。これが誤解を招く原因になっているのも事実です。
  
 どんな高密度のカルナバワックスでも、100%の状態で缶に詰め込んでは塗装に塗布することが出来ません。何しろ、その状態はチップ状ですから・・・。そこで、石油系溶剤などを配合することで、「カルナバ」を塗装に塗りこみやすく、定着性を高めています。あとは、その製品の信頼性が高いか否かは、いかに支持率がある製品かということで判断するしかないですね。

 メーカーは記載しませんが、一番上の商品軍は私が試したカルナバワックスの中でも、“洗車意欲”を沸き立ててくれるものです。

 カルナバワックス塗布編も以後、お伝えしてまいりますのでお楽しみに。

written by 外川 信太郎