「Active & Luxury」な新型SUV
トヨタは8月30日、新型SUV「ヴァンガード」を発表した。
エンジン形式は直4 2.4リッターとV6 3.5リッターの2種を搭載し、S-VSCと協調制御されるアクティブトルクコントロール4WDと組み合わされる。2列シート・5人乗り車に加え3列シート・7人乗り車も用意されるのが特長だ。なお2輪駆動モデルは、今のところ未設定となっている。
トヨタでは、ミニバンやコンパクトカー主流の市場でも、SUVにも一定のユーザーがいると見込んでいる。その開発コンセプトは「Active & Luxury」。アクティブで上級志向な団塊世代に加え、3列シート車の設定により、ファミリー層も取り込みたいとする。
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都会的なエクステリア
「Active & Luxury」のコンセプトに基づき、エクステリアは都会的でシャープなデザインとされた。
まず目に飛び込んでくるのは、フェンダーと一体化した立体的な造形のバンパーデザインだろう。シャープなデザインのヘッドランプにはディスチャージタイプが標準装備され、メッキ加飾されたフロントグリルや金属調塗装を施したフォグランプ周りとともに、前面をキリリと引き締め、高級感も演出している。
3.5リッター車にはカラードオーバーフェンダーと18インチアルミホイールが組み合わされる。
テール&ストップランプにはクリアレンズと18灯式のLEDランプが組み合わされ、先進性をアピール。
なお、パンク修理キットを全車標準装備としスペアタイヤを廃することで、軽快な走りと荷室スペースの拡大を図るいっぽうで、オプションでSUVらしい背負い式スペアタイヤとカラードハードカバーを設定するあたり、抜かりのないトヨタらしいところだ。
ミニバンも顔負けのフレキシビリティ
インテリアにおいても、「Active & Luxury」は実践されている。
インパネは翼を2段に重ねたような造形とし、ワイドで伸びやかなインテリア空間とした。
ドアトリムもインパネとの連続性を持たせ、広がり感を演出。さらに、印象的なブーメラン型オーナメントを配し、そこにドアグリップを組み込むことで使い勝手とデザイン性を両立させた。
全車オプティロンメーターを標準装備するほか、各部のクロムメッキ処理やトヨタ車初のブロンズ調加飾を施すことで、高級SUVらしい上質感を演出する。
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ユーティリティ面では、アクティブなユーザーに支持されるSUVらしく、フレキシブルなシートアレンジに特長がある。
左右独立でスライド&リクライニング調整可能な6:4分割可倒式セカンドシートは、シート全体がフロアに沈み込むスーパーチルドダウン機能を装備。さらに2列シート車には、左右デッキにテールゲート側からのシート格納も可能な操作レバーを設定し、使い勝手を向上させた。また、3列シート用5:5分割可倒式サードシートは床下格納機能を装備する。その結果、各シートの収納時には、広大でフラットなカーゴスペースを確保するなど、ミニバンも顔負けのフレキシビリティを誇る。
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事故を未然に防ぐ安全4WDシステムを全車に採用
ヴァンガードの技術的ハイライトは、「S-VSC+アクティブトルクコントロール4WD協調制御」の採用だろう。
アクティブトルクコントロール4WDは、リアデフに電子制御カップリングを配置。通常はFF駆動を基本とし、発進・加速時や滑りやすい路面などで駆動力を前後に適宜配分する。
また電子制御カップリングと、EPS(電動パワーステアリング)、VSC(横滑り防止装置)、ABS(アンチロックブレーキシステム)、TRC(駆動力制御)などの各制御システムで、協調制御も行なう。例えば滑りやすい路面でのコーナリング時に急加速した際に、車両の挙動を安定方向へ操舵トルクをアシストし、ドライバーが意図する加速がもたらされるよう、4輪へ最適な駆動力を配分する、といった按配だ。
また、坂道発進をサポートする「ヒルスタートアシストコントロール」や、急な下り坂を車速5km/hにコントロールして降りる「ダウンヒルアシストコントロール(DAC)制御」も採用。これらの機能により、事故を未然に防ぐ万全の予防安全性能を確保している。
また同4WDシステムは、通常の機械式フルタイム4WDと比べ、低燃費化にも貢献しているというのもユーザーにとって大きなメリットとなるだろう。
サスペンションはフロント:マクファーソンストラット式、リア:ダブルウイッシュボーン式を採用。リアのアブソーバーを斜めに配して荷室の拡大に寄与するなどの配慮もなされた。
衝突安全については、歩行者傷害軽減にも配慮した全方位コンパティビリティ構造とし、社内測定値では、J-NCAP6ツ星相当の衝突安全性能をマークする。SRSサイドエアバッグ&カーテンシールドエアバッグを全車に標準装備している。
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直4 2.4リッターとV6 3.5リッター、2機種のエンジンを搭載
エンジンは、経済性に優れる直4 2.4リッター「2AZ-FE」型と、ハイパフォーマンスなV6 3.5リッター「2GR-FE」型の2機種を用意する。
2.4リッター車はVVT-I(連続可変バルブタイミング機構)を採用し、全域でトルクフルな走りを確保する。7速スポーツシーケンシャルシフトマチック付きSUPER-CVT-Iと組み合わされ、10.15モード燃費で12.6km/Lの低燃費をマーク。「平成22年度燃費基準+20%」を達成する。
いっぽうV6 3.5リッター車は、Dual VVT-I(吸・排気連続可変バルブタイミング機構)を採用。スーパーインテリジェント5速ATとの組み合わせで最高出力280ps(206kW)/6200rpm、最大トルク35.1kg-m(344N・m)/4700rpmを発生する。10.15モード燃費は9.6km/Lだ。
なお2.4、3.5リッター車ともに「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」4ツ星☆☆☆☆を取得する。
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シンプルな2グレード構成
ヴァンガードのグレード構成は、3.5リッター・2.4リッターともに、標準グレードのSと、”Gパッケージ”の2タイプとシンプル。それぞれ、5人乗り仕様と7人乗り仕様が設定される。
もちろん高級SUVを標榜するだけに、上級車向けの装備が名を連ねる。
花粉除去モード付き左右独立温度コントロールフルオートエアコンや、盗難防止装置、スマートエントリー&スタートシステムが全車に標準装備されるほか、”Gパッケージ”には、本革+アルカンターラ表皮のヒーター付きパワーシートがつく。
また全車オプション設定ながら、Bluetooth対応40GB HDDナビ+音声ガイダンス機能付きカラーバックモニター&サイドモニターも用意されている。バックモニターを用いた自車位置情報や、一時停止・学校付近案内機能に加え、G-BOOK mx/mx-Proに対応。「プローブコミュニケーション交通情報」や、自動で地図更新が出来る「マップオンデマンド」機能などが搭載される。
価格は、240S(5人乗り)の264万8千円から、350S・Gパッケージ(7人乗り)の334万9千5百円まで。月販目標台数は2500台としている。
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( 写真:トヨタ自動車・和田 清志・CORISM編集部/レポート:CORISM編集部 徳田 透 )
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代表グレード
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240S(7人乗り)
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ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
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4570x1815x1690mm
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車両重量[kg]
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1620kg
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総排気量[cc]
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2362cc
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最高出力[ps(kw)/rpm]
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170ps(125kW)/6000rpm
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最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
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22.8kg-m(224N・m)/4000rpm
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ミッション
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7速スポーツシーケンシャルシフト付き SUPER CVT-i(自動無段変速機)
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10・15モード燃焼[km/l]
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12.6km/L
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定員[人]
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7人
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税込価格[万円]
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268.8万円
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発売日
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2007年8月30日
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レポート
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CORISM編集部 徳田 透
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写真
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トヨタ自動車/和田 清志/CORISM編集部
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ヴァンガードのカタログ情報
- 平成19年8月(2007年8月)〜平成25年11月(2013年11月)
- 新車時価格
- 242.0万円〜336.5万円
ヴァンガードの在庫が現在13件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。