単なるノスタルジックなミニにあらず!
ベースとなったのは現行パンダである。ホイールベース2300ミリがそのことを如実に物語っている。ただし、踏ん張ったスタイリングからも分かるように、トレッドは大きく拡げられた。
エンジン仕様は1.2lと1.4lのガソリン、そして欧州では1.3lディーゼルターボの“マルチジェット”の3種類となる。1.2には5MTとセミオートマチックの5速デュアロジックが、1.4には6MTとデュアロジックが、1.3には5MTが、それぞれ組み合わされている。
ちなみに、フィアット首脳陣は新しい500をフィアットグループアウトのマニフェストだと宣言した。単なるノスタルジックなミニではないということで、安全性や環境性能にもこだわっている。
搭載されるエンジンはすべてユーロ4対応であり、さらに厳しいユーロ5にも適合するよう設計された。また、クラスで初めて7つのエアバッグを搭載、ESPやヒルホルダーなども設定するなど、安全性向上にも力を注いでいる。
"プレミアム"な走り
1.2と1.4のMT仕様に試乗した。全体の印象をひとことで言えば、さらによくなったパンダ、だ。もともとパンダの走り味には定評があるが、加えてワイドトレッドとなって四肢を踏ん張らせたせいか、走りに安定感が増した。それでいてたっぷりとした乗り心地はスポイルされることなく、さらには静かさも増している。
1.2でもパワー的には十分だが、不足なく走ろうと思えばマニュアルギアを駆使することが要求される。低回転域のトルクに余裕のある1.4の方が、街乗りはラクであった。
面白いのは、パワーステアリングモード。パンダにも装備されていたが、1.2ではパンダと同様にCITYボタンで超軽くなり、速度が増せば通常に戻るというセッティングだったが、前後ディスクブレーキを備える1.4ではそれがSPORTボタンとなっていて、押すとハンドルの手応えががっちり重くなる。
日本へはまず、東京モーターショーでお披露目される。おそらくアバルトもやってくるだろう。そして、販売は年明け早々から。1.2の右ハンドルデュアロジックからということだ。