
おしゃれなスタイリングとスポーティな走りを両立させた
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昨年のF1において見事ワールドチャンピオンに輝いたルノー。そのルノーのモータースポーツの歴史は古く、過去には様々なカテゴリーで輝かしい栄光を手にしてきている。日本においてもルノーというとやはりF1が際立ってしまい市販車のイメージはあまり強くは
ないだろう。だが今回このメガーヌ ルノー・スポールに乗ってみてこんなに楽しく速く走れるクルマがあったのかと、改めて気付かされた一台で、これをもっと日本のクルマ好きに知ってもらいたいと思いながらドライブした。
独特のスタイリングをしながらもどこかお洒落で東京の街並みが似合いそうなルノー メガーヌをベースに、よりスポーティな性能とスタイルを兼ね備えたこのメガーヌ ルノー・スポールだ。エクステリアの変更点はスポーツサスペンションにより低く下げられた車高と専用の大径18インチタイヤホイール、リアバンパー下部からのぞく迫力のあるツインエキゾーストパイプ程度だが、それだけでも十分スポーティさが演出されているし存在感も一層高まっている。
中でも注目したいのがホイールのスポークの間から顔を覗かせている大きなブレンボ製アルミブレーキキャリパーだ。最近は日本車にも多く装着されているが、このタイプはそれらとは違ってアルミ製で軽量に仕上げられているのが特徴だ。サイズ的には若干大きく見えるが、そのフィーリングはどうなのか? 楽しみである。
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インテリア
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シルバーと黒を基調にまとめられたインテリアはシンプルではあるが日本車には無いスポーティさを醸し出しつつどこか品のあるデザインで仕上げられている。細部にも遊び心を持ちながら、それでいて運動性や機能性にも優れたパーツが組み込まれている。ステアリングセンター部にあるレッドセンターポイントステッチやエアプレーンタイプブレーキレバー等がその一例だろう。またドライバーズシートはオールレザーの高級タイプながら、しっかりとしたホールド感のものが装着されているのにもこだわりが感じられる。
軽快な走りを演出するパワートレインは、2リッター直列4気筒エンジンにツインスクロールターボを搭載したもの。およそ2000rpmからトルクの約90%を発生するという特性で、アクセルを踏んだ瞬間から強烈なパワーが得られるのが印象的だ。その強力なパワーをしっかり伝達する6速ミッションもクロスレシオ化によりエンジン特性を最大限の引き出し、スムーズかつ強烈な加速感を実現させている。
早速試乗してみると、エンジンサウンドは太い中にも軽やかさがあり気持ちのいい音の高さだ。走り出すと鬼のようなトルクに少し焦りを感じる程で、自分がアクセルを踏んでいる以上に進んでしまう感覚だ。たしかに約2000rpmからトルクが発生してターボブーストが掛かっている。このようなエンジン特性なら自分が思っているギアよりも一つ高いギアでコーナーが走れるし、低速コーナーでの立ち上がりでもアクセルを開けると同時にタイムラグがなく回転が上がっていくからドライビングが楽で楽しくなる。これは今まであまり味わった事のないフィーリングだ。
シャーシ、サスペンションもしっかりしていてFFだということを忘れるくらいニュートラルにクルマが動いてくれるのが印象深い。コーナーからの立ち上がりではアクセルをラフに踏んでしまうと、あまりのトルクの太さによりフロントタイヤが空転してしまいLSDが欲しくなってしまうが十分楽しめる。そしてアルミ製のブレンボブレーキは、やはり想像通り最高のパフォーマンスを発揮してくれた。強烈なストッピングパワーというよりも、むしろコントロール性の高さが素晴らしく自分の思ったとおりにクルマを減速してくれるのだ。より細かいコントロール性が要求されるレースカー並みのフィーリングでかなり気に入った。初めてメガーヌ ルノー スポールに乗ってみて「このフィーリングって日本人が好みそうな感じだよな」っていうのを感じた。是非ともこのすばらしい走りを味わって欲しい1台だ。
代表グレード
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ルノー・スポール(5ドア)
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ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
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4235×1775×1450mm
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車両重量[kg]
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1400kg
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総排気量[cc]
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1998cc
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最高出力[ps(kw)/rpm]
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224ps(165kw)/5500rpm
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最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
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30.6kg・m(300N・m)/3000rpm
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ミッション
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6速MT
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10・15モード燃焼[km/l]
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-km/l
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定員[人]
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5人
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税込価格[万円]
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379.0万円
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発売日
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2007/06/21
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レポート
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菊地 靖
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写真
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佐藤靖彦
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