車両へ歩行者存在情報を提供

 日産は17日、車両歩行者の交通事故低減を目的とし、携帯電話の通信を活用したITSシステムを開発し、車両への歩行者検知情報の提供について検証実験を開始すると発表した。

 日産は、2007年4月以降に各携帯電話事業者が新規に提供する第3世代携帯電話が、原則としてGPS測位方式による位置情報通知機能を持つようになったことを受け、歩行者の所持する携帯電話の位置情報を利用し、クルマやそのドライバーと歩行者が所持する携帯電話を通信させ、クルマ単独では対応が難しい「見えにくい場所にいる歩行者」に対する交通事故の低減を目指すシステムを開発するとのこと。

 具体的には、携帯電話のパケット通信を利用して、車両のプローブ情報(走行情報)と歩行者が保持する携帯電話の位置情報を収集し、収集した情報から走行車両と歩行者の位置関係を明らかにする。そして、車両の進行方向前方に存在する歩行者を検出し、注意喚起が必要と判断した場合、車両へ歩行者の存在情報が提供される。

携帯連携ITSイメージ

 検証実験では、車両や歩行者の進行方向、また車両の走行速度や歩行速度の移動速度、さらにはしゃ車両と歩行者の距離など様々な条件に応じて詳細な実験を行い、どのような歩行者の情報をどのようなタイミングでドライバーへ報知するのが交通事故低減に寄与するのかを検証していくとのこと。また、画面表示や音声などドライバーへの最適な報知方法についてもあわせて検証される。

 なお、ITSシステムの開発および実験において、携帯電話を活用する通信技術については、NTTドコモの技術協力を得て進めるという。