ライター紹介

221616 編集部

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【ザ・対決】マツダ マツダスピード・アクセラ vs フォルクスワーゲン ゴルフGTI 徹底比較試乗!

ターボ車というのは今や超が付くほど貴重な存在だし、ホットハッチというのもあまりお目にかからなくなってきた。以前はホットなモデルがあったのだが……。そんな状況のなか、姿を現わしたのがマツダスピード・アクセラだ。マツダの走りのDNAを存分に注入され、各部をスポーティに仕上げつつ、エンジンにはターボが装着される。一方、対するはゴルフ伝統のスポーツグレードGTI。こちらは低圧ターボゆえに息の長いスムーズな吹けが楽しめ、またセミATのDSGもキビキビとした走りを絶妙にアシストしてくれる。日独の味付けはの違いはいかに?

マツダ マツダスピード・アクセラ

ターボらしさ全開!
ジャジャ馬な一面も見せる
 欧州車のようなソリッドな乗り味のハッチバックとして人気の高いアクセラ。マイナーチェンジで加わったのが、ターボを搭載したマツダスピード・アクセラだ。ターボを取り巻く環境は厳しいものがあるのはご存じの通りだが、往年のホットハッチ的なコンセプトはじつに貴重である。
 エンジンは基本的にマツダスピードアテンザ譲りなのだが、直噴化によって緻密な制御を行なっているだけでなく、ターボで問題になりがちな筒内温度の上昇も抑制。さらに、充填効率のアップにも貢献するなど、じつによく考えられている。最高出力は264馬力を達成しており、1390kgという車重には十分すぎるほど。トルクも38.8kg-mとこれまたじつに太く、3000rpmで発生する。それだけに低回転から高回転までパンチのある走りが楽しめる。環境性能についてはSU-LEV(平成17年基準排出ガス75%低減レベル)に適合しているほどで、クリーンさもウリのひとつ。また高圧縮ゆえに省燃費性にも優れてもいると、ハイパワー技術を環境にもうまく利用しているのはさすがだ。

[マツダスピード・アクセラ価格帯]
241.0万円

マツダスピード・アクセラ
ボディサイズ(全長x全幅x全高) 4435×1765×1465mm
車両重量 1390kg
エンジンタイプ直列4気筒DOHCターボ
総排気量2260cc
最高出力264ps(194kW)/5500rpm
最大トルク38.7kg-m(380N・m)/3000rpm
ミッション6速MT
10・15モード燃費11.2km/L
サスペンション(前/後)ストラット/マルチリンク
ブレーキ(前/後)ベンチレーテッドディスク/ディスク
税込価格241.0万円

MPVなどにも採用される2.3リッターの直噴ターボエンジンを搭載する。低回転からブーストが立ち上がり強烈な加速が味わえるのが魅力だ。

スポーツモデルらしく215/45R18という超低扁平タイヤを履く。だが想像以上に乗り心地はよく、路面からの衝撃もうまく吸収してくれる。

最近のマツダ車のアイデンティティを感じさせるインテリア。アルミのスポーツペダルや赤いステッチなどでスポーティさを強調する。

スポーツモデルらしくミッションはATの設定はなく6速MTのみ。シフトフィーリングもよく、気持ちのいい走りを味わうことができる。

レッドステッチ入りのスポーツシートはハードな走りでもシッカリと体を支えてくれる。まさに走りを楽しむクルマといえる。

後席の広さに不満を感じることはない。ヘッドクリアランスも十分だが足元スペースは、ややゴルフのほうが余裕があるように感じられる。

ラゲッジスペースは形状もよく使い勝手はよい。開口部の高さも低く抑えられているので大きく重い荷物の積み込みも楽に行なえる。

リヤシートを倒せば広々としたラゲッジスペースが現われる。完全にフラットにすることはできないが、不便に感じることはない。

フォルクスワーゲン ゴルフGTI

ターボエンジンだけでなく
懐の深い足まわりにも注目
 歴代のゴルフに用意されるスポーツグレードがGTIだ。実用性重視の他グレードに対して、こちらはホットハッチの要素をプラスしているのが特徴で、使い勝手のよさとスポーティさの両立が魅力といっていい。
 とはいえ、現行GTIはそれまでのモデルよりも、よりスポーティな味付けがなされている点に注目だ。直4の2リッターエンジンはターボ付きで、リッター100馬力となる200馬力を発揮。低圧ターボだけに、発進時から力強い加速が楽しめる。そしてもうひとつの魅力がミッションだ。MTも用意されているのだが、6速のDSGも選べるのは注目すべき点。これはMTベースのセミATといっていいのだが、他と違うのはふたつのMTをひとつにしたような特殊な構造をしているのが特徴である。その結果、タイムラグのない瞬間的なシフト操作が可能となる。もちろんエンジンだけでなく、足まわりも他のグレードは異なった味付けがされていて、専用チューニングが施されている。車高も25mmもローダウンされ、GTIらしさを全身でアピールするローフォルムを作り上げている。

[ゴルフGTI価格帯]
325.5〜341.25万円

ゴルフGTI
ボディサイズ(全長x全幅x全高) 4225×1760×1495mm
車両重量1460kg
エンジンタイプ直列4気筒DOHCターボ
総排気量1984cc
最高出力200ps(147kW)/5100〜6000rpm
最大トルク28.6kg-m(280N・m)/1800〜5000rpm
ミッション 6速AT
10・15モード燃費12.6km/L
サスペンション(前/後)ストラット/4リンク
ブレーキ(前/後)ベンチレーテッドディスク/ディスク
税込価格344.0万円

こちらも直噴ターボを搭載する。パワーは控えめだが1800〜5000rpmという広い範囲で最大トルクを発生するので非常に扱いやすいエンジンだ。

アクセラよりひとまわり太い225/45R17サイズのタイヤを採用する。グリップは強力で路面からのインフォメーションもシッカリと伝えてくれる。

スポーティな雰囲気のステアリングがスポーツモデルであることを主張している。メーターやナビの視認性もよく運転しやすい。

ATでありながらMTのようなダイレクトな走りと素早いシフトチェンジを実現する6速DSGを採用している。もちろん通常のMT仕様も用意。

一見、普通のシートに見えるがスポーティな走りにふさわしいサポート性を発揮するフロントシート。長距離ドライブでも疲れにくいのはさすが。

もともと実用性を重視して開発されたゴルフだけあり、居住性にはなんの問題もない。アイポイントも高めに設定されており視界も良好だ。

開口部は大きく実用的なラゲッジ。アームレスト部分のみトランクスルーにできるのはスキーなどの長尺物を積み込むときに便利だ。

開口部の広さやラゲッジの容量には何に不満も感じられない。だが背もたれ部分が完全にフラットにならないのはアクセラと同様だ。

アクセラは排気量が大きいこともあり、ターボエンジンらしい豪快な走りが味わえる。一方のゴルフはやや面白味に欠けるがリニアで力強い加速を見せてくれる。