【アウディ A6アバント ミニ試乗記】「AUDI A6 Avant 3.2 FSI quattro(アウディ A6アバント)」 ロードインプレッション

トーキョーの二大勢力

 東京のビジネス街、最新鋭の高層ビルが建ち並ぶ「丸の内」、あるいは隣接する日本一の高級繁華街「銀座」あたり。そんな混沌とした街並みを歩くと、全長4.8メーター級の立派な高級セダンたちが路上を占めていることに気付きます。
 中でも、その二大勢力が「メルセデスベンツ Eクラス」と「トヨタ クラウン」シリーズです。前車は主に800万円代、後車は400万円代。ホントウに景気の良いハナシだなぁと、いちサラリーマン編集者は嘆くばかり。ま、それはともかく。
 近年変革著しい2台だけに、以前ほどコンサバ過ぎず派手過ぎずなのだけれど。やっぱこれだけ多く走っているとちょっとなあ、と思うのはワタクシだけではないはず。
 ああ、アウディがもっと走っていれば。

街の景色を変えるオーラ

 全長4.8メーター級のアッパーミドルカテゴリといえば、他に思い浮かぶのが「BMW 5シリーズ」。メルセデスと併せ、日本の欧州車クラスではこの二台でほとんどのシェアを占めてしまいます。
 しかし実際の欧州市場となると、あと1台加え3大勢力を形成しているんですね。そう、その1台こそが今回ご紹介する「アウディ A6」シリーズなのです。

【アウディ A6アバント ミニ試乗記】「AUDI A6 Avant 3.2 FSI quattro(アウディ A6アバント)」 リアビュー
AUDI A6 Avant 3.2 FSI quattroのリアビュー
【アウディ A6アバント ミニ試乗記】「AUDI A6 Avant 3.2 FSI quattro(アウディ A6アバント)」 走り
シングルフレームグリルが新世代のアウディを象徴する
【アウディ A6アバント ミニ試乗記】「AUDI A6 3.2 FSI quattro(アウディ A6)」
「AUDI A6」セダンのリアビュー。こちらはさらに『クール』な印象。

 どうです、この優美なシルエット。シンプルながら力強いアウディ独自のシングルフレームグリルと相まって、なんともクールな魅力を放っているじゃありませんか。街の混沌とした景色すら変えちゃう、凛としたオーラがしっかり出ています。
 そう、「トーキョー」の街並みに足りないのは、このアウディの「クールさ」なんです!

 個人的には、今回の試乗車であるワゴン版の「アバント」より、セダン版のフォルムのほうが好き。それはA6のシンプルなラインが、同クラスのセダン車にありがちな華美なデコレーションを排除し、独特の「クールさ」を生み出しているから。
 これがアバントになるとエレガントさを増す感じだから不思議。なんというか「対象年齢が上がる」、とでも言いましょうか。
 ちなみにセダン版の全長は4915mm。ワゴン版のアバントともなると、さらに伸びて4935mmとちょっと長めなのが、そのエレガントさを際立たせている理由なのかもしれません。

【アウディ A6アバント ミニ試乗記】「AUDI A6 Avant 3.2 FSI quattro(アウディ A6アバント)」 インパネ
【アウディ A6アバント ミニ試乗記】「AUDI A6 Avant 3.2 FSI quattro(アウディ A6アバント)」 フロントシート
【アウディ A6アバント ミニ試乗記】「AUDI A6 Avant 3.2 FSI quattro(アウディ A6アバント)」 リアシート

乗員を「クール」に見守る安心の走り

 さて、アウディA6のバリエーションはというと、今回乗った「A6アバント」そしてセダンそれぞれにベーシックなV6 2.4 FF、AWD「quattro」V6 3.2とV8 4.2の2タイプに加え、スポーツモデル「S6」が用意されています。さらにワゴンとSUVのクロスオーバー版「A6 オールロードクワトロ」まで、実はライバル顔負けのワイドバリエーションを誇ります。
 今回の試乗車は、売れ筋のメイングレード「A6 アバント 3.2 FSI quattro」です。V6 3.2リッターFSIエンジンは最高出力255ps(188kW)/6500rpm、最大トルク33.6kg-m(330Nm)/3250rpm。1850kgの車重にも十分なパワーです。4輪駆動quattroは通常50:50、路面状況などに応じ前75:後25から25:75まで駆動力を自動配分します。
 走ってみると、4輪へ均等にパワーが行き渡るためなのか、圧倒的なパワーがモリモリと!というフィールではなく、自然に、しかし気付けばあっという間にこんな速度!というパターン。
 そう、エクステリア同様に走りも「クール」!なんですね。確かに、アクセルをガバっ!と踏んでググッ!っと走り出すフィーリングは、後輪駆動のEクラスや5シリーズのほうが感じやすいかもしれません。しかし実際のところ、ロングドライブで疲れず、安心に長〜い距離で乗れそうなのはどっち?と言われれば、quattro優勢と答えることでしょう。
 誰にでも分かりやすい、目を惹く派手さはないかもしれないけれど、長く深く愛せるパートナー。アウディA6には、そんな印象を持ちました。あなたもA6で、トーキョーの風景を変えてみませんか?

【アウディ A6アバント ミニ試乗記】「AUDI A6 Avant 3.2 FSI quattro(アウディ A6アバント)」
【アウディ A6アバント ミニ試乗記】「AUDI A6 Avant 3.2 FSI quattro(アウディ A6アバント)」
【アウディ A6アバント ミニ試乗記】「AUDI A6 Avant 3.2 FSI quattro(アウディ A6アバント)」
【アウディ A6アバント ミニ試乗記】「AUDI A6 Avant 3.2 FSI quattro(アウディ A6アバント)」

written by 徳田 透

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代表グレード
アウディ A6 アバント 3.2 FSI クワトロ
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4935x1855x1475mm
車両重量[kg]
1850kg
総排気量[cc]
3122cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
255ps(188Kw)/6500rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
33.6kg-m(330N・m)/3250rpm
ミッション
6速ティプトロニックAT
10・15モード燃焼[km/l]
8.7km/L
定員[人]
5人
消費税込価格[万円]
742.0万円
発売日
2005/6/20
レポート
徳田 透(CORISM編集部)
写真
和田 清志