話題の新型車を賢く買う方法、教えます。
三菱 新型デリカD:5

三菱のデリカが約13年ぶりにフルモデルチェンジされた。
5代目モデルとあって、名称も新たに<デリカD:5>としている。
歴代モデルから受け継いだ特徴は、ミニバンでありながらSUVと同等の走破力を持たせたこと。
D:5ではエンジン、プラットフォーム、4WDシステムなどをSUVの<アウトランダー>と共通化し、
先代型の<スペースギア>と同じく、ミニバンでは最高水準のオフロード性能を確保する。
その一方で、「居住性」や「取り回し性」も大幅に向上されている。
コイツは恐らく、息の長い人気車になるだろう。

◆本文:渡辺陽一郎
◆データ協力:ガリバー自動車流通研究所
◆総合ディレクション:佐藤 誠(from ガリバー自動車流通研究所)

知の巻:デリカD:5が人気の理由

先代に比べて居住性や使い勝手、走行安定性は飛躍的に向上
ライバルのステップワゴンやセレナと比べても室内に余裕アリ
三菱 新型デリカD:5
リセールバリュー: 58%〜65%

 「リセールバリュー」、つまり数年後の下取査定は、その時点で予測した将来的な価値で決まる。つまり中古車として高値で売れる人気車なら、リセールバリューも向上するわけだ。その意味で、新型デリカD:5は大いに期待が持てる。おそらく今後も、長い期間に渡って高い人気を維持すると考えられるからだ。
 人気の秘訣は、SUVの機能を盛り込みながら居住性や使い勝手を向上させたクルマ造りにある。最近は機能性に優れたミニバンが売れ筋だが、多人数乗車の可能なルーフの高いクルマとあって、内外装の雰囲気が所帯じみたものになるのは否めない。それを払拭するのが、新型デリカD:5の特徴とされるSUV感覚のボディースタイルや走破性能だ。野生的な感覚で引っ張れるから、クルマに趣味性を求めるユーザーも満足できる。
 その一方で、スペースギアと違って走破性能のために居住性や使い勝手を犠牲にしておらず、価格も割安だから購入の妨げになる要素はない。幅広いユーザーに支持されて、息の長い人気車になると思う。
 これらを踏まえると、3年後の査定額は新車時の58〜65%と予測される。人気の高いミニバンの中でも、最高ランクのリセールバリューだ。

 先代型の<スペースギア>は、4WDシステムや足回りを2代目の<パジェロ>と共通化。悪路の走破力は高かったが、デメリットも多かった。床が大幅に持ち上がって重心も高く、乗降性、居住性、走行安定性などに好ましくない影響を与えていた。
 しかし現行型のD:5では、これらのデメリットを一掃させている。プラットフォームは<アウトランダー>と共通で、次期型<ランサー>にも使われる乗用車タイプだから床の高さに無理はない。フラットフロアの構造を取るミニバンとしては、常識的な範囲に収まる。
 その一方で最低地上高はアウトランダーと同じく210mmを確保し、全車が4WDモデルになるから悪路の走破性能は十分。スペースギアでは同じボディーで商用車も用意したから後輪駆動が主体の設計になり、床も高まったが、現行型は前輪駆動で乗用車の仕上がりになる。厳密にいえばオフロード性能は少し落ちるが、居住性や使い勝手、舗装路での走行安定性などが飛躍的に向上したから、ユーザーが受けるメリットも大きいだろう。
 居住性については、フロント&2列目シートはゆったりしており、3列目も<セレナ>や<ステップワゴン>といった5ナンバーサイズのハイルーフミニバンに比べて余裕を感じる。
 価格は買い得グレードの「G」が277.2万円。2400ccエンジンを積んだ<ステップワゴン>の「24Z 4WD仕様」よりも7万円ほど安く、買い得感も申し分のないレベルになっている。

三菱 新型デリカD:5

SPECIFICATIONS

[代表グレード: G-Premium]
■ 全長×全幅×全高: 4730×1795×1870(mm)
■ エンジン型式:4B12 MIVEC
■ 排気量:2359(cc)
■ 最大出力:170(ps)
■ 最大トルク:23.0(kg-m)
■ 燃費:10.4(km/l)
■ 定員:8(人)

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比の巻:ライバル研究

押し出しの強いフロントマスクとパワフルなエンジンの<エルグランド>
伝統的なスタイリングが所帯じみた雰囲気を感じさせない<エスティマ>

VS 日産 エルグランド

日産 エルグランド
リセールバリュー: 46〜51%

 後輪駆動のプラットフォームを使った古典的なLサイズのハイルーフミニバンだが、このクルマも新型デリカD:5とは違う手法で所帯じみた雰囲気を消し去っている。それは押し出し感を強めた奇抜ともいえるフロントマスクと、2トンに達するボディーを強引に加速させるV型6気筒の3500ccエンジンだ。セダンでいえば<シーマ>、SUVならば<ランドクルーザー100>に相当するような、大胆ともいえる迫力を伴う。
 その結果、登場して5年近くを経過し、今では販売が下降したものの中古車市場における人気は依然として高い。高価格車でもあり、中古車を求めるユーザーが多いからだ。3年後の下取査定も46〜51%。他の国産車であれば35〜45%が相場なので、高値で売却できるクルマとなっている。

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VS トヨタ エスティマ

トヨタ エスティマ
リセールバリュー: 57〜64%

 エスティマは06年に登場した新型車で、代替え需要も多いことから人気は絶好調。V型6気筒の3500ccエンジンも用意するが、売れ筋になるのは新型デリカD:5と同じ直列4気筒の2400ccモデルだ。販売比率が50%に達する「2400アエラス」の価格は285.6万円。新型デリカD:5の「Gパワーパッケージ」とほぼ等しく、ライバル車になり得るクルマだ。
 またミニバンでありながら、所帯じみた雰囲気をあまり感じさせない。これも新型デリカD:5との共通点で、エスティマが高い人気を得ている理由だろう。今や伝統になった卵型の外観と上質な内装が洗練された雰囲気を生み出し、ユーザーは以前の<マーク�>のようなイメージで受け取っている。歴代モデルと同じく息の長い人気車になる見込みで、3年後の下取査定も57〜64%と高水準。新型デリカD:5と並んで、トップクラスのリセールバリューだ。

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選の巻:オススメ乗り換えプラン

流通量の少なさが逆にリセールバリューの点では有利
オススメグレード
G-Premium(\3,412,500)
★★★★
オススメオプション
DVD内臓9インチ後席液晶ディスプレイ(¥136,500) ★★★★
オススメボディカラー
ブラックマイカ ★★★★
合計 オススメオプションを装着した場合の
リセールバリュー
\3,549,000 50%〜66%
ガリバー自動車流通研究所所長

ガリバー自動車流通研究所
鈴木詳一 所長

 「クロカン4WD」なのか「ミニバン」なのか微妙な位置付けにある新型デリカD:5。逆にいえば、その最大のウリがクロカン4WD並みのオールラウンドな走破性をミニバンの車体で実現出来てしまうところです。先代モデルの<デリカ スペースギア>もそうであったように、ウインターシーズンにスキーやスノーボード。そして暖かい時期はキャンプなどレジャーで大活躍する点。車格が大きいため、8名乗車でもラゲッジルームのスペースが確保されるなど、ファミリー向け最強のパッケージと言えるでしょう。また、<エスティマ>などと比較しても、中古車のタマ数が少ない点はリセールバリューで有利です。

極の巻:中古車購入には…

スペースギアからD:5への乗り換えが進んでおり、在庫が急増中!!
ディーゼルも選択できるスペースギアの中古車は今が絶好の買い時です
■ 新型デリカD:5のライバルはデリカ スペースギア

三菱 デリカ スペースギア 20thアニバーサリーLTD 2002年式

三菱 デリカ スペースギア 20thアニバーサリーLTD 2002年式
中古車相場:
150万円 〜 200万円
(2007/3現在)

 新車では新型デリカD:5と比較出来るクルマはほとんどありませんが、中古車なら先代の<デリカ スペースギア>がライバルと言えるでしょう。もちろんD:5の方が新しい仕組みなど追加されていますが、高い車高がもたらす室内のゆとりある空間や、オフロードなどの悪路走破性の高さは折り紙付きです。
 もちろん購入価格はぐんと安くなって古いものなら数十万円〜、新しい物でも値ごろ感が出てきているため今が絶好の買い時ですね。
 「デリカ スペースギア→デリカD:5」への乗り換えも進み、中古車市場では更にスペースギアの台数が増え購入の敷居が下がっています。また、スペースギアならディーゼルエンジン搭載モデルも選択することが出来るなど、バリエーションの豊富さではD:5の上をいっており、ユーザー一人一人にあった賢い乗り換えも可能です。

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まずは賢く買える価格を知ろう
三菱 新型デリカD:5
( G-Premium )
\3,412,500
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