達人のワックスコレクション

 『サルでもわかるクルマ磨き!』では、これまでに「ボディ各部の洗浄」、そして塗装面に突き刺さった「鉄粉取り」と作業をすすめてきました。次は、いよいよ塗装面の光沢を取り戻す「研磨」をお伝えしようとした矢先、毎回テスト車として登場している愛車、オペル「ベクトラ」のウインカーレンズに飛び石がヒット!惨くもレンズが外れ、現在洗車が出来ない状態になってしまいました。
 もう一台所有していますルノー「トゥインゴ」も昨年末、外装のレストアを行い、まったくの新車状態。このクルマでは、「研磨」を行う意味がありません。
 では、テスト車のウインカーレンズ修理が完成しましたら「研磨」作業をお伝えするとして、私が、過去に試した数百にも及ぶ下地処理剤、ワックスの中から、これは太鼓判!というものをご紹介することにしましょう。

達人厳選の「下地処理剤」はこれだ!

エターナル「塗面光沢復元剤」
 エターナル「塗面光沢復元剤」
 一般に超微粒子コンパウンドが1ミクロン程度の粒子を採用しているのに対して、このエターナルは、1メートルの10億分の1というナノ粒子を採用。一般的な超微粒子コンパウンドが、野球のボールサイズだとすれば、パチンコ玉くらい細かい。そのため、塗装を痛める心配は皆無。透明樹脂の傷取りにも使用できる。
実勢価格¥2200
ザイモール「HDクリーナー」
ザイモール「HD-クリーナー」
 一切の石油系溶剤や、化学薬品を含有せず、植物成分100%のみ使用。粘性の高い液体は、汚れを吸着させて除去。手肌や環境にも優しい製品である。塗装の磨き傷除去や透明アクリルのくすみ落としにも効果絶大でプロの信頼も高い。現在では、並行輸入のみでの販売となっている。実勢価¥3600※

 色褪せた塗装面の光沢を復元するには、正直、「研磨」もしくは、「再塗装」しか方法がありません。ワックスを塗布すれば、一時的に光沢を出すことが可能ですが、あくまでその場しのぎ。下地が整っていなければ、本当の光沢は再現できません。
 塗装面の光沢を低下させる原因は、細かな傷による光の乱反射や、紫外線などによって劣化した酸化皮膜が原因。これらを「研磨」して除去をすれば、剥き卵のようなすべすべの塗装面を復元できます。
 「研磨」では、「超微粒子コンパウンド」を使用しますが、上記の商品は、私が試した中でも、安全かつ確実に塗装面の光沢を復元することが可能です。ぜひ、商品選択の参考になさってください。
 

達人厳選の「カーワックス」はこれだ!

コロンブス・CG WAX
コロンブス「CG WAX 」
 革靴のお手入れ製品では、業界最大のシュアを誇るコロンブス。そのため、良質なカルナバ蝋の入手ルートを持ち、厳選された素材で作られたカーワックスである。カルナバ蝋でも、最上級のパルナイカルナバを使用し、コート剤に迫る耐久性を実現している。光沢は、ガラスのようにシャープなもの。
実勢価格¥3000
シュアラスター・ブラックレーベルエクストラフォーミュラー
シュアラスター「ブラックレーベルエクストラフォーミュラー」
 日本市場でカルナバワックスといえば、シュアラスター。中でも、「ブラックレーベル」シリーズは、徹底的に光沢を追求したもので、フラッグシップの「エクストラフォーミュラー」は、作業性を犠牲にしない範囲で最大限にカルナバ蝋の含有量をアップ。深みのある光沢は、濡れたようなしっとりしたもので、やや派手目な艶を演出。実勢価格¥5000
ザイモール・カーボンワックス
ザイモール「カーボンワックス」
 ザイモールといえば、石油系溶剤や、化学薬品の含有は皆無の世界で唯一のワックス。100%植物成分の生み出す光沢は、塗装面にもう一枚層が出来たかのような奥深いもの。世界的なクラシックカーコンクールでも、マストアアイテムとして高い評価を得ている。この「カーボン」は廉価版だが、光沢は息を呑む。現在はクリーナー同様、並行輸入のみでの販売となっている。実勢価格¥8000※
アドバンスプラン・スーパーワックス
アドバンスプラン「スーパーワックス」
 市場ではあまりなじみのない製品であるが、プロの世界では、高い評価を得ている。製造元の東北地方では、ディーラーの8割以上が納車やメンテナンスで使用しているという。主成分はカルナバ一号を使用。キャップ一杯に100ccの水を加え、ボディを撫でるだけという簡単作業にも関わらず、光沢は高級固形カルナバワックスを彷彿とさせるもの。実勢価格¥7000
■お問い合わせ:アドバンスプラン
022(291)3088

 上記の4点は、ボクが過去に試した数百個というワックスの中から、総合性能に優れたものをピックアップしてみました。お気付きかもしれませんが、どの製品もすべて天然素材「カルナバ蝋」が主成分のものです。
 昨今では、ガラス系、フッ素系などを主成分としたカーケミカルが市場に流通しておりますが、登場しては、姿を消して…を繰り返しているのが現状です。
 確かに、持続性という点では、これら化学成分を多く含有した製品には適わないのも事実ですが、やはり、ワックス効果が落ちてきたら、愛車と触れ合う時間を作り、対話しながら、再びワックスを塗り込む。こんなカーライフはいかがでしょうか?
 
 プロの世界では、クルマの塗装面のことを「お肌」と呼びます。もし、自分の手にハンドクリームを塗る事を考えてみてください。石油系などが主原料のものと、天然コラーゲンが主原料のものがあったとしたら、どちらを選択しますか?やはり、後者ですよね?クルマのお肌にも同じことがいえます。やはり、天然成分が主原料の製品は、塗装に対して攻撃性が少なく、安全ということが一番の理由です。
 

 カーケミカルは、正直、誇大広告が多過ぎです。「一年間ノーワックス!」こんなこと、絶対にありえません。あれは、製造元の研究施設で年間平均降雨量を割り出し、商品を塗布した塗装面にその量に該当するシャワーを掛けているだけなのです。野外に一年間置いてあるクルマでテストを敢行しているわけでは決してありません。
 真夏のギラギラした直射日光下や、真冬の霜に覆われた状態…。日々変化する過酷な環境下では、どんなものを塗布しようとも、皮膜形成は2ヶ月が限界です。まあ、あまり暴露しても、ヤバイですけどね…。

 次回は、実践編をお伝えします。まずは、テスト車のウインカーレンズを直さなければ…。