太いトルクと軽快な吹け上がりのTSIエンジン
ゴルフGT TSIに搭載される1.4リッターの直噴+ツインチャージエンジンは、125kW(170ps)/240N・mのパワー&トルクを発生する。これは通常の2.4リッターエンジン並みかそれ以上の動力性能である。この性能をわずか1.4リッターの排気量から生み出しているのだから、効率の高さが分かるというものだ。
実際に走らせた印象も、実にトルク感のあるエンジンというもので、1400kgほどのボディに対して十分な余裕を持つ。それもスーパーチャージャーの働きによって低速域のトルク感がたっぷり確保されていて、1500回転から2000回転くらいまで回すともうモリモリといった感じのトルクを感じる。エンジンを回していけば、この太いトルクがずっと維持される。なかなか気持ちの良いエンジンだ。
この気持ち良さは吹き上がりの良さからも感じられる。過給器付きのエンジンはどうしても回転の上昇が抑えられがちになるものだが、ゴルフGT TSIのツインチャージエンジンは回転の上限が7000回転と並みの自然吸気エンジンよりも高い。そのレッドゾーンに入る7200回転あたりまで一気に上昇していくのが上していくのが気持ち良さにつながっている。
素早い変速が魅力の6速DSGを搭載する!
組み合わされるトランスミッションのDSGの良さはすでに定評のあるところ。2ペダルで運転できるツインクラッチのマニュアルトランスミッションで、変速操作に対するレスポンスの素早さや効率の良さからくる燃費の良さなどが特徴だ。
足回りはゴルフGTらしい相当に硬めのチューニング。しっかりしたシートなどと合わせていかにもドイツ車に乗っているという印象。日本の日常ユース向けにはちょっと硬すぎる感じがしないでもないが、長距離運転ではこのほうが疲れが少ないとされている。
●お勧めグレード
ゴルフGT TSIの価格は305万円で、従来のゴルフGTに比べると3万円高いだけだ。ツインチャージのエンジンは、自動車部品としてはかなり高額な過給器をふたつ装着するためにコスト高になりがちなはずだが、その割には価格を抑えた設定である。それでいて2.4リッターエンジン並みの動力性能が得られ、また10・15モードで14km/lという燃費性能の良さも持つのだから、なかなか買い得感のある価格設定といえる。
GLiに比べるとDSGやスポーツシート、キセノンヘッドライトなどの仕様の違いもあるので23万円ほど高いのは納得モノの設定といえるし、GTIに比べたら40万円近く安い。GTIとは装備やエンジンの性能による魅力の違いもあるが、一般のユーザーならGT TSIで十分と感じるのではないか。排気量が1.4リッターなので自動車税が安上がりになるのも魅力だ。