松下宏 |
現在のCDIは日本の最新規制に適合したディーゼル車ではない。輸入車に許された時間的な優遇措置によって成立しているモデルなのだ。もちろん、今後乗れなくなることはないし、ダイムラー・クライスラーでも将来的な規制条件の変更にも対応していくとしているので、今後の展開に大いに期待しておきたい。 |
ベンツEクラスで売れ筋になっているのはE350。上級モデルも豊富にラインナップされているが、このモデルが基本であるのは変わらない。日本ではとくに、もっともベンツらしいベンツともいえるのがE350である。いろいろな意味で総合的な魅力は非常に高いレベルにある。熟成の進んだ後期モデルである点もオススメの要素だ。 |
片岡英明 |
ディーゼル車はダーティなイメージが強いが、地球の温暖化防止には有利だ。粒子状物質や窒素酸化物などの問題もクリアされつつある。とはいえ、日本はアメリカと並んで、排出ガス規制に関しては世界でもっとも厳しい国。走りの実力は肉薄しているが、今後、市民権を得られるかどうか、まだハッキリしないなど、不安材料はある。 |
アイドリング時の静粛性や加速時の滑らかさに関してはガソリンエンジンに一日の長がある。高速道路など、高いスピード域で走ることが多い人はE350がいいだろう。同乗者も安心して乗れるはずだ。リセールバリューも安定しているなど、手放すときも安心である。ただし、それなりに維持費がかかることは自覚するべきだ。 |
国沢光宏 |
E350でなくE300ならCDIより87万円安い。動力性能からするとCDIはE300と同等。年間走行距離が多ければ燃費のよいCDIをすすめておくが、年間1万kmくらいだと10年乗らない限りモトは取れない。もし「将来的にCDIのリセールバリューがよくなるだろう!」と予想するのだったらCDIを買うべし! |
カタログ上の出力こそ272馬力でCDIの211馬力を圧倒するものの、4000rpm以上引っ張らなければ意味なし。普通の使い方だと4000rpm以上まで回すことなど皆無に近いと思う。といった点からすれば、CDIより勝っているのは静粛性くらい。ただディーゼル嫌いの人も少なくないだろうから、存在価値はあるかも。 |