1月19日、東京国際フォーラムにて、フォルクスワーゲン 新型「ゴルフ GT TSI」の発表会が行われた。世界初の直噴ツインチャージャーエンジンを搭載するゴルフ GT TSIは、ゴルフ GTの後継車種として導入される。
まず始めに、梅野社長によるスピーチが行われた。今回発表された新型「ゴルフ GT TSI」に搭載されるTSIエンジンは、スーパーチャージャー(S/C)とターボチャージャーという2つの過給機を、圧縮比が高く効率の良い直噴エンジンと組み合わせたことで、高出力と低燃費という相反する要素を高次元で両立した革新的なガソリンエンジン。1.4リッターの排気量で、2.4リッターエンジンに匹敵する170ps/240N・mの性能と、リッター当たり14km(10・15モード)の燃費を実現しているとのこと。
続いて、フォルクスワーゲンAG パワートレイン開発最高責任者 ルードルフ クレップス博士によるプレゼンテーションが行われた。低燃費なエンジンの開発にあたり、フォルクスワーゲンが取った手法は排気量のダウンサイジング。一方で、小排気量エンジンはパワーの面で劣るが、その弱点を克服する為に、エンジン回転が低い時でも効率よく過給が可能なS/Cと、エンジン回転が十分に高まった際に効率良く過給が可能なターボの組み合わせを採用したという。この組み合わせにより、ターボ特有の低回転時に過給圧が上がらないという、いわゆるターボラグを補っている。さらに、燃料噴射システムに直噴技術を採用したことにより圧縮比を高め、わずか1,500回転から最大トルク240N・mという、自然吸気で2.4リッターエンジンに匹敵する高トルクを発揮するという。
フォルクスワーゲンは、TSIエンジンをゴルフクラスのガソリンエンジンの将来の主力エンジンに位置づけ、今回発売される「ゴルフ GT TSI」を皮切りに、今春にはゴルフ トゥーランに140ps仕様の「ゴルフ トゥーラン TSI」を設定するほか、他のゴルフシリーズ車種にも順次採用を拡大するとのこと。
さらに、コンセプトカーレベルではあるが、パサートや大型ミニバン「マルチバン」(日本未発売)といったクルマにも搭載し、実用レベルであることを実証している。また、CNG(天然ガス)など代替燃料への対応といった発展性にも期待できるという。
専用装備として、エクステリアには大型エアインテーク採用のフロントバンパー&スポイラーや前後にGTバッジを備え、インテリアには専用のファブリックパターンを採用したフロントスポーツシートや黒い光沢のデコラティブインサートパネルなどが装備されている。
新型「ゴルフ GT TSI」の価格は、305万円。2月6日(火)より全国のフォルクスワーゲン正規ディーラーにて発売開始される。