3列シート仕様も新設定
1999年、BMWがオンロード志向のスポーツ・アクティビティ・ヴィークル(SAV)としてX5をデビューさせてから、SUVカテゴリーの中のSAV比率が高まった。特にプレミアムブランドのSAVは76%と4分の3を占めるほどにマーケットが成長したという。
X5はアメリカでの大きな市場を期待してサウスカロライナ州のスパータンバーグにあるBMWアメリカ工場で製造されているが、その目論見は当たって生産台数の43%はUSA市場に出回っている。ヨーロッパは40%である。
通常、発売して3年ほど経つと販売数量が落ち始めてくるものだが、X5に限っては4年、5年経っても落ち込まないどころかモデル末期になってもピーク時に近い販売数量を確保している。それゆえ今回のフルモデルチェンジでもキープコンセプトになり、外観上大きく変わったという印象はない。
見た目以上に中身は大きく進化
しかし、その中身は100%新しくなっている。一番の大きな変更は寸法で一回り大きくなったと言っていい。全長4854mm(現行モデルに対し+187mm)、全幅1933mm(同+61mm)、全高1766mm(同+51mm)、ホイールベース2933mm(同+113mm)に成長?した。
この目的はサッカーマミーのためのクルマにも使えるようにするためだ。オプションで3列シートの7人乗りを注文できるようになり、子供の友達も一緒に乗せられるようになった。3列シートまで使ってもまだ200リッターのラゲッジスペースが残る。スタンダードの2列シートなら床下も含めてもっと大きな容量が確保されている。
100%ランフラットタイヤになってスペアタイヤが不要になったため、ラゲッジルームの下も収納できる。
サスペンションは大変革である。リヤはアルミなどを使って軽量化を図っているが基本形式は同じインテグラルアーム式である。しかしフロントは完全な新設計のダブルウイッシュボーンになった。幅広いタイヤを履いても最適なジオメトリーを確保するための策である。
X5の本国でのバリエーションは、4.8i(V8、4.8リッター)、3.0si、3.0dという3種類が発売された。日本には4.8iと3.0siが今年の夏ごろには入ってくるのではないかと個人的に予測している。