普通のアウディにはない何かを感じさせるスーパーセダン
S8はフラッグシップモデルA8の軽量アルミニウムボディにV型10気筒 5.2L 、450psのスポーツエンジンを載せたスーパーセダンです。ボディサイズは全長5メートルを超え、全幅は1.9メートル弱の大きなボディです。周囲を圧迫するような威圧感はなく、周囲に溶け込んでいて、とてもクールです。
しかし265/35R20の巨大なタイヤとホイールの隙間から見えるセラミックブレーキは、普通のアウディにない何かを感じさせる凄みがあります。また、左右から4本出ているエキゾーストパイプも普通のアウディに見られない独特のオーラを感じさせます。
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上質感漂う室内を澄み切ったサウンドが包む
スーパーセダンとはいえ、最初は後席から乗ってみました。室内は上質な2トーンカラーのレザーシートにカーボンパネルを上品に使って、スポーティさを演出しています。勿論、質感はアウディのフラッグシップモデルに恥じない高さです。
当然、音響もデンマークの高級オーディオで有名なバング&オルフセンのサウンドシステム(14スピーカー)が標準装備。オーディオのスイッチを入れると、フロントダッシュボードの左右に収納されたアルミニウム製のツイータースピーカーが静かに出てきます。澄み切ったサウンドは、S8のようにクールで上品なサウンドです。
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軽快感を与えるサスペンション
Sモデル専用のエアサスペンションは、ピッチングもロールも良く抑えられていて快適です。またエンジン及びロードノイズは控えめで、室内は心地よい音楽が流れて眠りを誘います。快適な後席から運転席に移ります。電動シートは細かな調整が可能で直ぐに自分のベストポジションを選べます。シートはスポーツシートで左右のサポートは必要充分ですが、快適性は犠牲にしていません。センターコンソールにあるスタートスイッチを押すと静かにエンジンが目覚めます。セレクターレバーをDレンジに入れ走り出すと、軽いが節度のあるステアリングのためか小さなクルマを運転しているように感じます。アクセルペダル、ブレーキペダルも全体的に操作は軽いです。サスペンションは、20インチタイヤを履いているとは思えないほど軽快感があります。やはりそれは、スチールディスクの重量に対して半分しかないオプションのセラミックブレーキの効果なのでしょうか。
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力強さを持ちつつも、クールに疾走
注目のV10、450psのエンジンは低回転から充分なトルクがあり、しかも7000回転まで軽快に回ります。それでいて力強く、あっという間に高速域にS8のボディを引っ張っていきます。もう少しエンジンや排気音が聞こえてくればと思いますが、S8はルックス通りクールに疾走します。
また、どんな路面状況でもフルタイム4WDのクワトロシステムは無駄なく450psを路面に伝えます。そのクワトロシステムも最新世代に進化し、通常時のトルク配分を「フロント40:リヤ60」と、リヤよりに多くトルクを配分しています。試乗ではかなり狭い山道を走ったのですが全長5メートルを超える車とは思えないほど、ターンインでフロントがスーと入り、速いペースで駆け抜けました。ブレーキも最後までペダルタッチの変化がなく、安心して山道を下る事が出来ました。このブレーキシステムは、ぜひとも欲しい装備ですが136万円を追加が必要です。
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欲を言えば、もう少し強い個性が欲しいところ
全てのシチュエーションで安定して速く、そして涼しい顔でS8はまわりをリードします。一方でプレミアムセダンとしての頂点にあります。優等生なS8ですが、人間とは勝手なもので少しバランスが悪い方が魅力的に感じることもあります。車両価格が1485万円もするのでもう少しだけ強い個性が欲しいと思うのは贅沢でしょうか。
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