クワトロならではの安心感ある走り
RS4は走り出すまでの儀式を覚えておく必要がある。ステアリングポストにキーを差し込んで捻りイグニッションオンにする。それからシフトレバーの横にあるスタートボタンを押すことでスターターが回ってエンジンが掛かるという具合だ。右ハンドルの場合には右手でキーを捻り、左手でスタートボタンを押せばいい。
クラッチペダルを踏み込んでシフトを1速に入れて走り出す。クルマ全体が一体になったようでボディ、サスペンションがしっかりしている感じが安心感につながる。大パワーの高回転型エンジンをうまく操れそうな気にさせてくれる。コーナーの立ち上がりでアクセルペダルを思い切り踏み込んでみると、アクセルペダルに遅れることなく鋭い加速が乗員にGを与える。それでもあまり怖さを感じないのはクワトロのお蔭だろう。これだけの加速をしているにもかかわらずタイヤはスキール音も出さずに平然としているからだ。その安定感から予想以上のスピードが出ているから、一般道ではメーターのチェックをまめにしなくてはならない。
特殊電子デバイスで乗り心地とハンドリングをバランス
DRC(ダイナミック・ライド・コントロール)が乗り心地とハンドリングを高いレベルで両立させている。DRCは前右と後左、前左と後右のダイアゴナルでダンパーを連結している。前後逆位相でダンパーが動くケースではその中間にあるオリフィスが減衰力を発生して動きを制限するのだ。だからコーナーリングが始まるとき、通常クルマの姿勢が斜めに前のめりになってしまうような動きをDRCが止めてくれるのだ。しかし通常は乗り心地が良いダンパーの動きを確保できるのだ。これは電気的なものは一切使われていないからレスポンスも良いのである。