さる10月19日〜22日まで、日本プラモデル工業共同組合とJRM日本ラジコン模型工業会の主催により「2006プラモデル・ラジコンショー」が幕張メッセにて開催された。国内の主要玩具メーカーや出版社による専門誌のブースまで含めると全部で34ブースもの出展があった。
最近ではTVゲームの人気が高く、子供たちの模型離れが増えている。一昔前のようにおもちゃ売り場や模型店などでにぎやかな子供達の声を聞くことは少なくなっているのが現状だ。
むしろ、子供の頃に実際に遊んだことのある世代が再び興味を持ちはじめているようで量販店や電気店などの模型販売コーナーには大人達が行列を成す姿をよく見かける。世の中では不景気で物が売れないなどという話を聞くが、おもちゃ業界はそれほど影響も受けてはいないようだ。原材料費や輸送コストなどの負担増は、どの業界でも同じだが趣味の世界では一般の常識が通じないこともある。趣味の世界では日用品や食料品などと違い安価ならば売れるというものではない。商品内容や出来栄えによっては高価な商品でも飛ぶように売れる。専門店などでは、軽自動車の新車価格ほどの商品でも売約済みになっているものを見かけることも珍しくない。
今やアニメキャラクターなども日本から世界へ市場が広がってきており、たかがおもちゃ業界と侮れない、非常に注目すべき市場に発展しつつある。
キャラクターを使用したビジネス展開ではスピードが求められる。時期を外すと商品が売れないし、メーカーから企画されたキャラクターからアニメなどに展開することも珍しい話ではない。現在、キャラクタービジネスの市場は1兆5000億円以上もの規模になってきている。その中でも「機動戦士ガンダム」シリーズだけでも4,500億円規模の市場を確立しており、玩具メーカーだけでなく、様々なジャンルから注目を集めている。キャラクター商品のみに限らず、スケール物と言われる乗り物などの商品も同様である。常に最新車種のモデル化を考えていればいいという安易なものではない。新作でも現行車に混ざって懐かしい車などが多くリリースされている。これらの商品は復刻されたものでなく、新しい金型から造られた新作であったりするのだ。
今回のショーでも様々な新製品が発表されており、精密に再現されるプラモデルの新作や技術の進歩で緻密な動作を可能にしたラジコンなど注目される商品は盛りだくさんだ。メーカーの新作を見ていると今後ますます魅力的な商品が出てくることは間違いなく、新しい展開が期待できる内容の展示が多かった。展示商品に影響され、プラモデルやラジコンが作りたくなる来場者も多くいるようで、会場限定商品や倉庫から発掘された懐かしい絶版商品などの展示販売も行われて賑わっていた。
「2006プラモデル・ラジコンショー」は普段、模型店などでは知りえない模型業界の現状が凝縮された貴重なイベントである。新作の登場はうれしいのだが商品のクオリティと比例して上昇する価格にお財布事情と、にらめっこする日々になりそうなのは自分だけではないはずだ。