世界に広がる生産拠点で中核となる人財を育成
日産は、同社の追浜工場内に設立した「日産グローバルトレーニングセンター(GTC)」を本格稼動し、29日披露した。発展する開発、生産、販売のグローバル化に伴い、世界に広がる拠点の人財育成に取り組んでいるという。GTCは、全世界の生産拠点を対象とした人財育成の核と位置付けられる施設であるとのこと。
GTCでは、日産がグローバルに採用するマスタートレーナー制度という人財育成方式に基づき、国内外の生産拠点から選抜された人財に対し、座学及び、技能訓練による研修が実施されている。GTCでの研修を終え、マスタートレーナーの資格を取得した卒業生は、自拠点に展開するリージョナルトレーニングセンターにて、グローバルに標準化された教育内容、訓練器材を使用して現地従業員の人財育成にあたるという。29日時点で、既に138名のマスタートレーナーが誕生しており、世界14拠点のリージョナルトレーニングセンターにて、現地での人財育成、技能伝承が進行中とのこと。
GTCでの教育は、日産がグローバルに展開する「日産生産方式」が中核となり、各教育ツールはこれまでに世界各地で編み出されたノウハウがふんだんに取り込まれ常に更新されているという。また、「ビジュアル化」をキーワードに、各実に技能伝承が行えるよう工夫されていて、その多くが「ビジュアルマニュアル」として映像化され、トレーニング中にパソコンを通して閲覧できるとのこと。この「ビジュアルマニュアル」を含め、トレーニング用マニュアル類は各地域の言語に翻訳され、現時点で6カ国語のマニュアル類がGTCおよびリージョナルトレーニングセンターにて活用されているという。
日産は、中期経営計画「日産バリューアップ」の期間中、全世界で70車種の生産立ち上げを計画している。GTCは、グローバルなモノづくりに関わる人財の育成により、それに大きく貢献することとなる。
日産は、GTCに加え、世界に展開する新型車の試作を集中的に、効率良く実施する「グローバル生産技術センター」や、新たに強化した各生産拠点での新車立ち上げ支援策「グローバル立ち上げ支援」との相乗効果により、世界に広がる生産活動を更に強化していくとしている。