スズキ 新型セルボ

スタイリッシュ&スポーティなセルボの5代目

軽No.1メーカーのスズキから、新しい軽自動車がデビューした。その名は「セルボ」。先代「セルボ・モード」の生産終了から8年。久しぶりのネーミング復活となる。
スタイリッシュ&スポーティをウリにする軽のスペシャリティモデルとして代々受け継がれて来た「セルボ」名だが、今回の5代目もそのコンセプトは継承されている。開発コンセプトは「Fit On My Style」。強い個性を主張し、経済性や使い勝手の良さだけでは満足しないこだわり派のユーザーに向けアピールする。奇しくもこれは、今年6月に登場した「ダイハツ ソニカ」と同様のコンセプトといってよいだろう。ただしソニカが特に若いカップル世代をターゲットとするのに対し、新型セルボはそのあたりを限定せず、幅広い世代に向けて作られたのが大きく異なる点だ。

スズキ 新型セルボ
スズキ 新型セルボ
スズキ 新型セルボ

「ワゴンR」に飽き足らないユーザーにアピールするアグレッシブなスタイリング

空間&機能重視の『シンプルな箱型デザイン』で大ヒットを飛ばし続ける「ワゴンR」、キュートでかわいらしい『癒し系デザイン』の「MRワゴン」や「ラパン」など、ユーザーの嗜好や時流に合わせ多種多彩なモデルを次々と登場させてきたスズキは、その強いパワーで軽No.1メーカーとして長年君臨し続けて来ている。しかし、そんな中でも人々の新たな価値観の変化に敏感に反応し、また新たな1手を打ってきた。それが、今回登場した新型セルボだ。
新型セルボは、アクの強いエクステリアデザインを採用する。エレガントに弧を描くルーフ、フロントグリルからツリ目のヘッドライト後端にかけてラウンドし独特の表情を見せるフロント周り、そしてボディサイドに走るシャープなキャラクターライン・・・と、軽らしからぬ抑揚の強さを特長とするのだ。比較的シンプルなデザインで個性を放つ他のスズキ車とは全く異なるデザインコンセプトを採用することで、これまでにない新たな価値観を創造しているというワケだ。ロングランヒットモデル「ワゴンR」に飽き足らないユーザーに向け、さらに磐石な体制を目指す戦略も見え隠れする。

スズキ 新型セルボ
スズキ 新型セルボ
スズキ 新型セルボ

落ち着いたムードを演出するインテリア

表情豊かなエクステリアに対し、新型セルボのインテリアは落ち着いた雰囲気だ。スズキが「S字造形」と呼ぶ弓なりのインパネは、運転席側では包まれ感があり、助手席側では広々感を演出する。また質感の高いリーフシボを与え、メッキ調の加飾オーナメントやクロームメッキリング付き2連メーター、i-pod対応の専用インテグレーテッドオーディオを採用するなど、品質の高さにもこだわりをみせる。さらに、Bluetooth対応のハンズフリーシステムやキーレススタートシステムなど小型車に負けない上級装備も採用し、近年増加傾向にあるダウンサイジングユーザーにもアピールする。
内装はブラック色基調。ライバルのカップルズカー「ダイハツ ソニカ」がベンチシートなのに対し、幅広いユーザー層がターゲットの新型セルボでは、セパレートタイプのセミバケットシートを採用する。ブラック地にブルーのアクセントが加わりスポーティムードも満点だ。

スズキ 新型セルボ
スズキ 新型セルボ
スズキ 新型セルボ

日常の使いやすさに注力した走り

新型セルボのエンジンラインナップはMターボとノンターボの2タイプだ。
高性能版はK6A型DOHC Mターボを搭載する。最高出力は60ps(44kW)/6000rpm、最大トルクは8.5kg-m(83N・m)を発生させる。ワゴンR RR-DIに採用される64psハイパワー版エンジンではないのがポイントだ。あくまで、日常で多用する低中速域での使い勝手に配慮した格好。64psのハイパワー版ターボエンジンを搭載し、スポーティな走りをウリとするダイハツ ソニカとは目指す方向性を変えているのに注目だ。
なお、いっぽうのノンターボ版K6A VVT(可変バルブタイミング機構)エンジンは最高出力54ps(40kW)/6500rpm、最大トルク6.4kg-m(63N・m)となる。今のところソニカにはノンターボ版は用意されていないから、コレもアドバンテージとなる。
全車が4速ATと組み合わされ、ターボ車にはマニュアルモードも付く。欧州車を思わせるゲート式シフト採用も、新型セルボの上級指向を実感させられる。

スズキ 新型セルボ
スズキ 新型セルボ
スズキ 新型セルボ

グレード構成は3タイプ

 新型セルボのグレードは「G」「T」「TX」のシンプルな3タイプ構成となっている。全グレードでFF、4WDを用意する。ノンターボエンジンを積むのは「G」グレード。キーレススタートシステムやインテグレーテッドオーディオ(CD付き)が標準装備される。価格は103.74万円 (FF)から119.175万円(4WD)まで。
 いっぽうの「T」「TX」にはターボエンジンを搭載する。「T」は14インチタイヤ、Bluetooth対応ハンズフリーシステムなどがプラス装備される。これにエアロパーツ、フルオートエアコン、本革巻きステアリング、MD/CD付きオーディオ+6スピーカー、14インチアルミホイールなどを追加したスポーティな外観を持つのが「TX」だ。価格は114.24万円(T:FF)から137.55万円(TX:4WD)まで。
 どのグレードも比較的低めな価格設定となっているのがうれしい。月間目標販売台数は5000台となっている。
 スズキが放つ新コンセプトの軽自動車「セルボ」。年度末の新車商戦を前に、軽最大のライバル「ダイハツ」との一騎打ちに向け、新たな刺客の登場だ!

スズキ 新型セルボ
スズキ 新型セルボ
スズキ 新型セルボ
スズキ 新型セルボ
スズキ 新型セルボ
スズキ 新型セルボ
代表グレード
T(2WD)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
3395x1475x1535mm
車両重量[kg]
810kg
総排気量[cc]
658cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
60ps(44kW)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
8.5kg-m(83N・m)/3000rpm
ミッション
マニュアルモード付き4速AT
10・15モード燃焼[km/l]
19.8km/l
定員[人]
4人
消費税込価格[万円]
114.24万円
発売日
2006年11月7日
レポート
CORISM編集部

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