シトロエンC6 久しぶりのフラッグシップモデル登場

エレガントかつアバンギャルド

シトロエンC6 久しぶりのフラッグシップモデル登場

 シトロエン・ジャポンは10月25日、同社ラインナップで久しぶりの大型サルーン「C6」の日本発売を開始した。
 日本仕様のグレードは上級モデル「C6 エクスクルーシブ」1つのみ。ただしオプション設定として「ラウンジ・パッケージ」を用意。後席の電動リクライニングやシートヒーター、後席からの助手席シートポジション調節機構、3段階シートクッション(ランバーサポート)、サンルーフなどを追加し、ショーファー・ドリブン(専属の運転手がドライブし、主に後席に乗員を乗せる)仕様としての用途に対応するのが最高級モデルらしいところ。実際、フランスではシラク大統領の公用車としても採用されているという。

 シトロエンのフラッグシップモデルといえば、1955年デビューの「シトロエンDS」から始まる独創的な油圧式ハイドロ・サスペンションや、いかにもフランス製らしいエレガントかつアバンギャルド(前衛的)なスタイリングなどが思い出される。今回の「C6」でも相変わらずそんな「シトロエン」らしさは継承され、古くからのファンにも嬉しい内容となっている。

シトロエンC6 久しぶりのフラッグシップモデル登場
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「らしさ」際立つ流麗スタイリング

シトロエンC6 久しぶりのフラッグシップモデル登場

 まず目につくのはそのスタイリングだろう。長いフロントオーバーハングと短いリアオーバーハングの組み合わせは、いかにも「シトロエンの大型サルーン」といったかたちだ。ただし先代「XM」が直線基調のウェッジシェイプだったのに対し、C6は同じ水平基調ながらも柔らかなショルダーラインと曲線のルーフラインが融合され、モダンでありながらどこか懐かしい印象を与える。また、凹面のリアウィンドウはかつての「CX」を思い起こさせ、古くからのシトロエンファンも思わすニヤリとしてしまうはず。
 そのCXやXMなどの歴代モデルでは、高級サルーンとしては珍しいハッチバックスタイルを採用していたシトロエン。高級車といっても実用性も重んじるフランス車らしい一面で、これはライバルのルノー車でも同様。今回のC6も一見すると同様のスタイルを継承しているようにも見えるが、実際にはノッチバック(セダン)車というのがまた面白いところだ。

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快適性と独創性が両立したインテリア空間

シトロエンC6 久しぶりのフラッグシップモデル登場

 さて、インテリアに目を向けてみると、やはりこちらも特徴的だ。水平基調に曲面が組み合わされたインパネは、例えばドイツ製の高級車などとは違う志向性が感じられる。また、センターに位置するディスプレイは奥まった位置で視認性が高い。なおこのディスプレイ裏側のエアダクトからウィンドウ側に風流が出され、乗員に直接風が当たらない工夫が施されたソフトディフュージョンも高級車らしい配慮だ。
 メーター類はデジタル化され、さらにフロントウィンドウに速度が映し出されるヘッドアップディスプレイが装備される。残念ながら本国仕様ではさらにナビの簡易表示(方向など)も出るというが、日本仕様では未対応となっている。

シトロエンC6 久しぶりのフラッグシップモデル登場
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 2900mmという長いホイールベースのおかげで前後席とも室内空間は十分に広い。シートのデザインもまたインパネ同様に曲面を多用した特長的なものだ。大型のドアポケット・リッドもまた半円状のモチーフが用いられている。なお各ドアのウィンドウはフレームレス(日本式に言えば「ハードトップ」?)、というのも高級セダンとしては珍しい。2枚のガラスでプラスチック製多層膜をはさんだラミネーテッド・サイドウィンドウの採用により、静粛性も向上したという。

シトロエンC6 久しぶりのフラッグシップモデル登場
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シトロエン独創の技術がさらに進化

シトロエンC6 久しぶりのフラッグシップモデル登場

 シトロエンの高級車といえば、ハイドロ・サスペンションがもたらす独特の乗り心地と、高いロードホールディング性能を挙げるファンも多いだろう。もちろん今回のC6もその伝統は守られている。
 グループ企業のプジョー407と共通のフロント・ダブルウイッシュボーン、リア・マルチリンクのサスペンションをベースに、シトロエン独自の電子制御のスプリング&ダンピングシステム「新ハイドロ・ニューマティック・アクティブサスペンション」が組み込まれ、高い快適性とドライビングプレジャーを両立しているという。同システムは16種類の制御モードを持ち、コンフォートモードとスポーツモードの切り替え機能が付く。時速110km/hを超すと自動的に12mm車高が下がる。また、室内のコントロールスイッチにより車高の上下が可能なのは従来通りだ。なおメーカーでは、5年または20万キロメンテナンスフリーをうたい、耐久性の高さもアピールする。

シトロエンC6 久しぶりのフラッグシップモデル登場
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 日本仕様のエンジンはV6 3.0リッターDOHCガソリンエンジン1種類のみ。アイシンAW製6速ATと組み合わされる。C5に載せられる同エンジンに比べ出力で5馬力、トルクで5Nmアップし、最高出力215ps(155kW)/6000rpm、最大トルク30.5kg-m(290Nm)/3750rpmを発生させる。

 新型シトロエン「C6 エクスクルーシブ」は682.0万円で、メンテナンスフリーなどのサービスも付いてくるという。また、「C6 エクスクルーシブ・ラウンジパッケージ」は710.0万円となる(ともに消費税込み)。シトロエン・ジャポンではこの新型C6を年間500台以上販売する予定だ。
 C6、価格的にはメルセデスEクラスやBMW5シリーズ、アウディA6シリーズなどが対抗となる。シトロエンらしい強烈な個性を前面に打ち出し、欧米の老舗高級ブランド勢へと新たな戦いを挑む!

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( レポート:CORISM編集部 )

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