2つのパワーユニットはいずれも魅力的
搭載エンジンは従来がV型6気筒2.7LのツインターボとV型8気筒4.2Lの2機種だったが、今回のモデルではV型6気筒が3.2Lの自然吸気の直噴に変わり、V型8気筒は4.2Lのままで直噴仕様に変わった。
3.2FSIに搭載されるはV型6気筒の直噴エンジンはパワーの向上幅はわずかで、ターボから自然吸気になったことでトルクの数値は従来より下がっているが、自然吸気ならではの吹き上がりの良さと直噴らしいパワーフィールによって余裕の走りを実現する。大柄な4WD車なので車両重量は1860kgと相当に重いが、このボディをグイグイ押し出していくだけの実力がある。
4.2FSIのV型8気筒エンジンは直噴仕様に変わったことで257kW/440N・mのパワー&トルクを発生するようになり、これまた1950kgもの車両重量ながら豪快な加速フィールを味わわせてくれる。今回のモデルからティプトロニックATが5速から6速に変わり、走りのスムーズさが増したのも評価できるポイントだ。
エアサスによる快適な乗り心地を堪能
足回りはアダプティブエアサスペンションが全車に標準で、センターコンソールに設けられたコントローラーを操作すると乗り味や車高(地上高)を変更できる。スポーツとコンフォートでは乗り味に明確な違いがあり、メリハリの効いた走りの違いを味わうことができる。
●お勧めグレード
車両価格は3.2FSIが790万円で、カーナビなどは標準だが本革シートなど装着するオプションによってさらに50万円くらいの予算が必要になる。諸費用を含めると900万円を超える金額になる。4.2FSIは980万円の設定で、こちらは装着するオプションも少ないが、それでも諸費用を含めたら軽く1000万円を超える。いずれにしても簡単にお勧めできるクルマではなく、ごく限られたユーザー向けのクルマといえる。