ホンダ シビックFFV(プロトタイプ)と福井社長

ガソリン車と同等の動力性能、優れた低燃費を実現

 ホンダは、ガソリンエンジンをベースに、エタノール燃料でもガソリンとエタノールの混合燃料でも走行可能な「フレキシブル・フューエル・ビークル(FFV)」を開発した。

 エタノール混合燃料では、混合割合によって低音始動性への影響度、空燃比や出力などが変化するため、安定した動力性能や燃費、排出ガスレベルを維持することが課題であったという。
 今回ホンダが開発したシステムでは、排気系に取り付けた排ガス濃度センサーの出力からタンク内の燃料性状を推定することにより、エタノール混合燃料のエタノール比率が20%から100%までの対応を可能としながら、ガソリン車と同等の動力性能、優れた低燃費も実現している。さらに、サブタンクを用いたコールドスタートシステムにより、外気温が低い場合の始動性も確保されているとのこと。

 ブラジルなどで使用されているバイオエタノール燃料は、サトウキビ等の植物を原料としていて、これを燃焼した場合に放出されるCO2は、もともと植物が大気中のCO2を光合成により取り込んだもので、大気中のCO2濃度には影響を与えない。よって、石油の代替燃料であると同時に、地球温暖化対策としても注目されている燃料である。

 なお、ホンダは、エタノール燃料の普及が進んでいるブラジルで、2006年中に、FFVの発売を予定しているとのこと。

シビックFFV(プロトタイプ)

シビックFFV(プロトタイプ)
シビックFFV(プロトタイプ)
シビックFFV(プロトタイプ)

【エンジンスペック(ホンダ テスト値)】

排気量[cc]
1.8L
最高出力[ps(kw)/rpm]
140ps(103kw)/6,200rpm(エタノール100%)・138ps(102kw)/6,200rpm(エタノール22%混合ガソリン)
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
17.7kg-m(174N・m)/4,300rpm(エタノール)・17.5kg-m(172N・m)/5,000rpm(エタノール22%混合ガソリン)

フィットFFV(プロトタイプ)

フィットFFV(プロトタイプ)
フィットFFV(プロトタイプ)
フィットFFV(プロトタイプ)

【エンジンスペック(ホンダ テスト値)】

排気量[cc]
1.4L
最高出力[ps(kw)/rpm]
83ps(61kw)/5,700rpm(エタノール100%)・80ps(59kw)/5,700rpm(エタノール22%混合ガソリン)
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
12.1kg-m(119N・m)/2,800rpm(エタノール100%)・11.8kg-m(116N・m)/2,800rpm(エタノール22%混合ガソリン)