環境性能や動力性能を大幅に向上させた!
ホンダは、新開発の小型高効率燃料電池スタック「Honda FCスタック」を採用した次世代の燃料電池車「FCX コンセプト」の走行を公開するとともに、2008年に日米でこのコンセプトをベースとした新型燃料電池車の限定販売を開始すると発表した。
「FCX コンセプト」では、小型高効率燃料電池スタックをセンタートンネル内に配置する「Vフロー FCプラットフォーム」を採用し、従来の燃料電池車では難しかった低全高で流麗なセダンフォルムを実現することに成功した。燃料電池スタックは現行FCXより容積で20%、重量で30%低減しながら、最大出力は14kW向上し、大幅な軽量コンパクト・高出力化を達成している。駆動モーターは、出力を15kW高め、ギアボックスとの同軸化により小型化した。パワープラント全体としては、現行のFCXから約180kg軽量化、容積は約40%低減し、エネルギー効率や動力性能の向上と広い室内空間を実現した。
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従来の燃料電池スタックでは水素や生成された水を水平に流す方式が採用されていたが、「FCX コンセプト」では垂直に流す方式を採用。燃料電池スタックの高効率化の鍵となる生成水の排出性を、重力を利用することで大幅に向上させ、さまざまな状況での安定した発電を可能とし小型高出力化を実現させた。また、低温での始動性も大幅に向上し、従来より10℃低いマイナス30℃で可能となっている。
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補助電源には小型高効率のリチウムイオンバッテリーを採用し、動力性能を向上させるとともに、パワープラント全体を小型化に成功した。これによって、現行FCXに比べ、航続距離は約30%向上した。さらに走行エネルギー効率は約60%と、ガソリンエンジン車の約3倍、ハイブリッド車の約2倍という高いレベルで、現行FCXからは約10%向上させた。
インテリアでは、シート表皮やドアライニングなどに、植物を原料に使い耐久性、耐光性に優れたホンダ バイオファブリックを採用した。シフト・バイ・ワイヤや水素の消費量をわかりやすく知らせる新デザインのメーターなども採用し、使い勝手も大幅に高めたという。
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なお、2008年に発売する新型燃料電池車は、環境性能と走る楽しさを両立すべく、「FCX コンセプト」の主要技術を採用し、開発を進めているとのこと。
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代表グレード
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FCXコンセプト
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ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
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4,760×1,865×1,445mm
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最高出力[ps(kw)]
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129PS(95kW)
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最大駆動トルク[kg-m(N・m)]
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26.1kg-m(256N・m)
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最高速度[km/h]
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160km/h
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航続走行距離[km] ※LA-4モード走行時
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570km
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エネルギー貯蔵
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リチウムイオンバッテリー
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燃料電池スタック 形式
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PEFD(固定高分子膜型)
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燃料電池スタック 出力[kW]
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100kW
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燃料 種類
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圧縮水素
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燃料タンク容量[L]
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171L
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定員[人]
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4人
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写真
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Honda
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