GMでは、スーパーチャージャー付きノーススター4.4L V8エンジンを専門のメカニックが終始一貫して1人で組立てを行う「オーナーシップ」プロセスを採用している。新設したパフォーマンスビルドセンターでは、ハンドビルドの超ハイパフォーマンスエンジンの組立てを専門に行っており、1日に組立てられる同エンジンはわずか15基という。

 ノーススターV8 SCの生産は、エンジン構成部品がストックされている「スーパーマーケット」と呼ばれる場所から、各メカニックがエンジンブロック1基とその他必要な構成部品が選出される。メカニックはエンジンブロックを可動式スタンドに据えると、スタンドを最初の組立てステーションに移動させる。ステーションは全部で約15区画。各ステーションには特定の組立工程のみに必要な専用ツールが備えられている。

 1つのステーションでの作業を完了すると、メカニックはスタンドと共に次のステーションに移る。エンジンが完成すると、メカニックは品質チェックに移る。各メカニックは、自分が組立てたエンジンと書類に自らのサインを書き込み、すべての品質チェックが完了すると、エンジンは耐熱性を試験するエリアに運ばれ、20分の運転耐熱試験が実施される。これらすべての手順が終了し、ようやくエンジンは車両組立工場に運ばれる。

 GMでは、設立前に米国のプロレーシングチームの工場とヨーロッパの少量生産高級車メーカーを訪れ、生産の詳細を学んだ。GMのグローバルシステムと融合した少量生産の組立てプロセスにより、効率性と高品質が実現したという。