フェラーリのフェリペ・マッサが初優勝

残り5戦、二人の運命は?

 前戦ハンガリーGPはジェンソン・バトンが自身の初優勝を決めると共に、ホンダに115戦ぶりの勝利となった。そして、対照的に2006年のF1GPチャンピオンシップ争いを繰り広げる二人はフェルナンド・アロンソがノーポイント、ミハエル・シューマッハが1ポイント獲得と厳しい戦いとなってきた。ここトルコGPと次戦イタリアGPでヨーロッパラウンドが終わるため、二人にとっては正念場の争いとなるだろう。

予選はフェラーリの1-2!

フェラーリのフェリペ・マッサが初優勝

 前戦優勝でホンダの二人に期待が高まるが、ふたを開ければやはりフェラーリの速さが目に付く。対するルノーはマスダンパーの禁止により上位進出が厳しい状況だ。
 予選結果は1位がフェラーリのフェリペ・マッサで2位にもフェラーリのミハエルが入る。3位にルノーのアロンソが入り、同僚のジャンカルロ・フィジケラが4位と予選ではフェラーリが有利な状況である。前戦優勝のバトンは7位となり、やはり上位がつぶれなければ上位進出は厳しいようだ。
 やはりこのレースもフェラーリvsルノーの争いは必至といえ、益々チャンピオンシップ争いが面白くなってきたといえるだろう。

マッサの初優勝!

フェラーリのフェリペ・マッサが初優勝

 F1第14戦トルコGPの決勝レースは、前戦同様に荒れ模様の決勝レースとなった。まず、1週目にはルノーのフィジケラやBMWザウバーのニック・ハイドフェルドらが接触。ハイドフェルドは大きく順位を落とし修復のためピット作業を行った。
 1週目の接触を尻目に、ポールポジションからスタートしたマッサは2位ミハエルを従えトップを快走。アロンソは3番手を走行している。チャンピオンシップ争いを考えたら、フェラーリチームはミハエルを先に出したいところだが、チームオーダーが禁止されているため順位はこのままだ。
 14週目にトロ・ロッソのビタントニオ・リウッツィが最終コーナーでスピン。セーフティカーが導入され各車一斉にピットイン。ここで1-2位走行中のフェラーリも同時にピットインし、トップを走るマッサが先に作業。ミハエルはマッサの作業を待つこととなる。ここが今回のレースの大きなポイントとなった。
 ミハエルがピット作業を終える前に、アロンソが作業を終え先にコースイン。1位マッサ、2位アロンソ、3位ミハエルの順となり、レースはそのまま終盤を迎える。
 39週目にマッサとアロンソがピット作業を行い、ミハエルは43週目までピットインを遅らせアロンソとの差を縮めにかかったが、結局順位はそのままでゴール。フェリペ・マッサがフェラーリ1年目にして優勝を遂げた。
 2位アロンソ、3位ミハエル、4位バトン、5位マクラーレン・メルセデスのペドロ・デ・ラ・ロサ、6位フィジケラ、7位トヨタのラルフ・シューマッハ、8位ホンダのルーベンス・バリチェロという結果だった。

フェラーリの逆転なるか?

フェラーリのフェリペ・マッサが初優勝

 今回、1位はマッサだったが、2位にアロンソが入ることにより、ランキング2位のミハエルとの差は広がる結果となった。ランキング1位のアロンソは108ポイント、2位ミハエルが96ポイントと、アロンソ有利となっている。
 マッサが優勝するなど、マシンではフェラーリが一歩リードしているが、ドライバーのモチベーションでは若いアロンソの方が一歩リードしているように思える。ミハエルは次戦イタリアGP終了後に来期の発表を行うとしているが、引退か続投かの結論によりモチベーションは変わってくるだろう。ヨーロッパラウンド最終戦ということやフェラーリの地元イタリアということから是が非でもフェラーリは勝ちたいだろう。発表には注目したい。
 日本勢は前戦でバトンが優勝を遂げたものの、まだフェラーリ・ルノー・マクラーレン程の速さが身についておらず、今期更に優勝を重ねるのは難しいだろう。また、トヨタも経験が浅いためまだ無理なようだ。もちろんスーパー・アグリに至っては、新マシン投入によりライバルとの差は縮まったが、ポイント獲得まではまだ遠い状況。日本勢にももう一花咲かせて欲しいところだ。