なぜなにレクチャー

もの作りの大切さや科学の楽しさを伝えるイベント

なぜなにレクチャー

 トヨタが社会貢献活動の一環として行なっている子供向けの科学工作教室「科学のびっくり箱! なぜなにレクチャー」が開催された。このイベントはトヨタ技術会の有志が講師を務め、子供たちに楽しみながらもの作りの大切さや科学の楽しさを伝えていくというものだ。

なぜなにレクチャー

 1996年にトヨタ創立60周年を記念した社会貢献活動として始まり、今年で11年目を迎えるイベントで、2005年度までに全国各地で198回も開催されているという。プログラムの内容は会場によって異なるが、空力ボディやからくり自動車など、クルマ関連のものはもちろん、ホバークラフトや手作り飛行船など全9種類の教室が用意されている。

わかりやすく興味を持てる工夫が満載されている

 9月3日の東京・国立科学博物館の回では、二足歩行ロボット/空力ボディ/ホバークラフト/衝突安全ボディの4つのプログラムが行なわれた。そのなかでも空力ボディと衝突安全ボディの2つのプログラムに注目したい。

なぜなにレクチャー

 衝突安全ボディでは、ビデオで衝撃吸収ボディGOAの構造を学んだ後、簡単な実験装置で衝撃力の変化を実際に観察する。その後、硬さの異なる数種類の紙で作ったいろいろな衝撃緩衝材を模型自動車に取り付け、衝撃力の少なさを比較していくコンテスト形式で進められていく。

なぜなにレクチャー

 また空力ボディでもミニ風洞実験装置を使った本格的な実験を行ない、クルマのカタチが空気の流れに及ぼす影響を観察。そして空気の流れを考えながらボディ模型を制作し、空気抵抗の少なさを競う形式で、子供たちにとってもわかりやすく興味をもてる内容で構成されている。

 この「科学のびっくり箱! なぜなにレクチャー」は、今後も全国各地で開催される予定だ。対象は主に小学校高学年(4〜6年生)で参加費は、なんと無料だというから驚きだ。所要時間も2時間程度なので、是非参加してみるといいだろう。

なぜなにレクチャー
ビデオで学んだGOAの構造を参考に、硬さの異なる紙を組み合わせて衝撃緩衝剤を制作。Gセンサー付きの模型自動車にそれを取り付け、衝撃力の違いを検証する。
なぜなにレクチャー
ホバークラフトの原理を実験などで学んだ後、モーターで動くオリジナルのホバークラフトを制作する。まっすぐ走らせるには何度もテストし、微妙な調整が必要。
なぜなにレクチャー
人間の膝の動きをまねして、重心や前後左右のバランスを取りながら歩く二足歩行型ロボットを制作。調整次第で直進以外に円を描きながら歩かせることもできる。
なぜなにレクチャー
実際に空気の流れを観察し、空気抵抗の少ないボディ形状について学んでいく。普段は目に見えないものだけに子供たちも興味津々。
なぜなにレクチャー
模型自動車の形はもちろん、テープの貼り方や微妙な左右のずれによって空気の流れは大きく変わってしまう。丁寧な作業が必要だ。
なぜなにレクチャー
自分達が作った模型自動車をミニ風洞実験装置でテストする。細かい部分に改良を加えて、さらなる空気抵抗の低減を目指していく。