新時代のエネルギー源に関する包括的な見通しを発表

 BMWでは、ガソリンに代わる燃料として水素に着目しており、ミュンヘンで行われたイベントでBMW H2Labの専門家たちによって、水素がこれからの主要エネルギー源になり得る理由とその方法をそれぞれの異なる観点から提示された。BMWでは未来の燃料として水素の普及を目指す。

 BMW Clean Energyプロジェクト・マネジメントのゼネラル・マネージャー、カール=アウグスト・フォン・コスポス氏は「燃料は無限に使えるものではありません。それゆえ、代替燃料となるものを将来的にも十分に供給できる道筋の舗装から、我々は始めなければなりません」と述べ、液体水素と水素内燃機関を搭載した複合ドライブシステムに焦点を当てていくとしている。

 カール=ヨッヒェン・ウィンター教授は、「天然ガスや石油の量には限界があります。だから21世紀には、水素を活用していく必要があります。エネルギー政策とテクノロジー政策は同義語なのです。その核となるのは、水素のような新しいエネルギー源と互換性のあるテクノロジーを開発することです。将来的にはノートパソコン、携帯電話、芝刈り機、さらには飛行機でさえも水素で動くようになるでしょう」と述べている。

 アン・ボルンカッセル氏とジェキシア・チェン氏は「緑藻類は尽きることがなく、極めてクリーンな方法で水素を生成します」と述べ、水素を生成する緑藻類を栽培しただけでなく、それを使って模型自動車を動かし、バイオマスに重点を置いて研究を進めている。
 また驚くべき実験を発表する予定であり、生物学の教師ヴェラ・クッパース氏は、「実験では生きた有機体も電力を発生することができることを明らかにします。それにより、生態学的に互換性のあるエネルギー源の選択肢が広がります」と述べている。

 BMW グループでは、水素について学校で取り上げるプロジェクトを実施しており、2002年から教材を製作し、無料で学校に配布している。教材には、“エネルギーが私たちを動かす”、“水素—未来のモビリティ”が製作されるほか、ドイツ語版をベースに高学年向けに英語版および中国語版が製作されている。