エンジンに仕様、いろんなバリエーションがあるゾ!
搭載エンジンは1.8Lと2.0Lのi-VTECになった。1.7Lから排気量アップされた1.8Lはすでにシビックに搭載されているのと同じもので、電子制御5速ATと組み合わされる。RSZではパドルシフト付きとなる。2.0Lは従来の直噴エンジンに代わって搭載されたもので、実用的な燃費性能や環境性能などを高いレベルで満足させるもの。SOHCながら基本性能の高さを特徴とするエンジンだ。こちらはFF車が無段変速のCVTと組み合わされ、4WD車は5速ATが組み合わされる。ともにRSZではパドルシフト付きとなる。
街乗りなら "これでいいでしょう" の1.8リッター
1.8Lエンジンもそれなりに高いトルク性能を発揮するほか、パワーもこのクラスとしては優れたレベルにある。従来の1.7L車に比べると格段に良く走るようになった。ただ、試乗したのが箱根の山道だったので、大人4人が乗った状態でアップダウンを走ったりすると、さらにパワフルなエンジンが欲しくなる。後で一人で運転したときには十分に良く走ってくれたのだが、ミニバンは多人数乗車が前提なので、もう少し元気の良さが欲しい。同様にブレーキ性能も一人のときと多人数のときとで違いが感じられた。
1.8Lの標準系はインパネシフトの5速ATでパドルシフトの付かないタイプとなるが、これだと積極的にレバーを操作して元気よく走ろうという感じにはなりにくい。特に2速に落とす操作がしにくいのが気になった。
たった200ccの違い、されど……。
1.8L車に比べると2.0Lエンジンの走りはとても元気が良い。動力性能の余裕は排気量に見合った10%弱でしかないが、実際に走らせるとさらに大きな余裕が感じられる。CVTであることによる走りの違和感もあまり感じないし上がりなので、スムーズかつ元気良く走れるのだ。
2.0L車は17インチタイヤを履いたRSZだけに試乗したが、乗り心地の良さも標準系と変わらないほどで、安定性のレベルにも不満はない。1.8L車なども含めて、足回りはしなやかさが際立つ印象。ゆったりとロールさせながらコーナーを抜けていくのが安心感のある走りが得られるのが良い。
●お勧めグレード
売れ筋になるのは標準系の1.8Xだろう。基本的にはこれをイチ推しにしても良いが、走りの余裕を考えると2.0Gか2.0RSZを選びたいところ。走りの余裕の大きさが魅力になる。標準系のRSZ系のどちらを選ぶかは個々のユーザーの好みによる。エアロパーツなど差別化された外観が欲しいユーザーはRSZを選べば良いし、それを求めない人は標準系を選べば良い。