今年の5月に人知れず生産中止になっていたトヨタのフラッグシップカー セルシオ

人知れず生産が終了したトヨタのフラッグシップ

アメリカではレクサスLSとして売られていただけあってインテリアは上質だ

 まだご存知ではない方も多いかもしれませんが、実は日本を代表する高級車が人知れず5月に廃止されていました。それがこのセルシオです。セルシオは平成元年に、クラウンよりもより高級なセダンという位置付けで登場。以来、17年間もトヨタのフラッグシップカーとして君臨してきたクルマです。

 そのセルシオがひっそりと姿を消したのは、今年の9月からセルシオの後継モデルとなるレクサスLSが発売されるからに他なりません。トヨタはセルシオとレクサスLSのイメージがオーバーラップすることを避けるために、少し早めにセルシオを生産中止にしているようです。

 セルシオの販売が終了したことで、やはりセルシオの中古車は少し人気が出てきているようです。5月まで販売されていた3代目セルシオは2000年にデビューして、2003年8月に外観の小変更やATの6速化を行うマイナーチェンジを実施して後期型になっています。

 3代目が登場した直後の初期型でも、人気の高いC仕様だと、適正な距離の修復歴のないクルマなら、売値は300万円以上が相場となっています。後期型になるとさらに高く、450万円以上はしています。新車のC仕様が660万円程度だったので、前期型も後期型も、なかなかの高値を維持しているといえるでしょう。

人気があるのは今のうちだけ?!

9月に発売されるレクサスLSの販売価格はセルシオより100万〜200万円も高い!

 でも、私が思うに、高値を維持しているのは今のうちだけでしょう。9月にレクサスLSが発売されれば、セルシオからの代替でセルシオの下取り車が増え、中古車の相場も下がってくると予想されます。

 クラウンやセルシオなど、トヨタの高級車は指名買いする人がとても多く、現車を見ないで予約する人や、馴染みのセールスに「とりあえず一番いいやつを、できるだけ早く納車して」みたいな感じで買う人も多いので、レクサスLSのデビュー直後は、セルシオの下取り車は大幅に増えてくるでしょう。

 ただし、いくつか心配な要素もあります。レクサスLSが登場しても、今までのフルモデルチェンジのような値崩れは、しにくい可能性もあるのです。その理由のひとつは、レクサスLSの価格です。セルシオは新車価格が600万円〜700万円でしたが、レクサスは800万円〜1000万円台へと、一気に高くなる模様です。そのため、通常のフルモデルチェンジのように、早い段階で買い替える人が少ないかもしれません。

 それと、セルシオのブランド力です。名前が消滅したといっても、17年間もトヨタのフラッグシップとして君臨してきたので、そこそこの威厳は残っています。一般の人は『レクサスよりもセルシオの方が偉い』と思っている人も少なくはないので、セルシオの高値は、まだ続く可能性もあります。私が中古車屋なら、今のうちに新車に近い状態のセルシオを手に入れ、『セルシオ最終モデル』として店頭に並べておきたいところです。

『セルシオ』ブランドが薄れてからが本当の買い時!

 でも、そのブランド力が続くのも長くて1年程度でしょう。来年の秋ぐらいにはレクサスLSのブランド力が浸透し、セルシオは普通の中古高級セダンになっていくはずです。そうなった時が、3代目セルシオの本当の買い時となるはずです。今頑張って高値を維持しているセルシオを買うよりも、1年待てば値崩れしたセルシオがグンと安く手に入ると思われます。

 逆に今セルシオに乗っている人は、今が最大の手放し時といえるでしょう。今すぐガリバーで買い取ってもらいましょう!