ライトウェイトにハイパワーで爽快ドライブ
走りは抜群にいい。車両重量は1トンを超えるが、1.5リットルで154馬力とリッター100馬力を超えるエンジンは非常にパワフルだ。ギヤを1速に入れスタートすると、低速からグングンと加速し続ける気持ちよさを味わうことができる。
タコメーターのレッドゾーンは6500回転から始まるが、6000回転まではトルクに持続感がある。最後の500回転がキッチリパワーを出してくれれば申し分ないが、そこは過給エンジンなので目をつぶろう。
アクセルペダルに対する回転上昇のレスポンスもよく、またペダルをゆるめた際の回転の落ち込み方もいい。アクセル操作で荷重をコントロールできるタイプのエンジンだ。5MTのミッションも確実性のあるもので、操作しやすい。
速さに負けないきっちりした足回りを構築してるゾ!
乗り味は適度な硬さをもったもので、ビシッとした引き締まり感をもっている。これはサスペンションの性能だけで引き出されているものではない。バージョンRは従来モデルに比べて、ボディのスポット溶接ポイントを1.5倍採用。これは製造ラインでの限界と言われている。このスポット増しなどによりボディのねじり剛性は30%アップ、サス取り付け部も強化され、取り付け剛性も同様に30%アップされているという。
コーナリングはステアリング操作に忠実なタイプで、ASC(アクティブ・スタビリティ・コントロール)を切らずに走っている限り、安定指向の走りが可能だ。
ASCをカットし、アクセル&ブレーキ操作による荷重移動を積極的に行うと、走りは一変しアクティブなものとなる。
コーナーに向かい、ブレーキングをしっかりと行ったまま、フロント荷重で進入するとそれまでとは異なった鋭い動きでターンインを行う。残念ながらLSDがないので、その状態からの加速はトルクが逃げてしまうのだが、再加速までの動きはじつにスポーティでアクティブなもの。また、オーバースピード目でコーナーに入り、アンダーステアが発生した際も、アクセルペダルをゆるめればゆるやかにラインが戻ってくる。
アクセルペダルを急激に戻してやれば、それなりにタックイン現象を起こすので、急激な進行方向の変更も可能。
結局のところ、そうとうレベル高いですっ!
日本のワインディングでは、コンパクトスポーツが一番楽しくドライブできるが、そのなかでもこのバージョンRは、かなり高い位置に存在していると感じた。