日産 プレサージュ

激変したエクステリア、コンセプトは "宝石"

日産 プレサージュ

 Lクラスミニバン、あるいは上級ミニバンの市場は、オデッセイがまずまず好調な売れ行きを続ける中で、今年1月から2月にかけてエスティマとMPVがフルモデルチェンジを受けたことで盛り上がりを見せている。そんな中でやや置かれた状態になっていたのが日産のプレサージュだ。強力な競合車の中に埋もれて目立たない存在になっていた。

 そこで大幅なマイナーチェンジによってテコ入れを図ってきたのが新型プレサージュだ。フロント回りのデザインを一新し、ムラーノにも似たワイド感を強調した顔つきになった。

日産 プレサージュ
"ブリリアントなデザイン" をコンセプトにモディファイされたエクステリアは、煌びやかな印象が売り。ミニバンとは思えない上質感を実現している。
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グリルやヘッドランプ、バンパー、フードパネルに至るまですべてを意匠変更。このフロントマスクはダイアモンドのブリリアントカットをイメージしているとのこと。
日産 プレサージュ
新色が5色も加わった。これはデザインと同等に新鮮さを感じさせるポイント。
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リアテールランプに大きな変更点はないが、全体のデザインがリファインされたことでより似つかわしい印象になった。
日産 プレサージュ
"ハイウェイスター" に装着されるタイア&ホイールは215/60R17というサイズ。見た目と乗り心地をバランスさせる絶妙なサイズだ。
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"ハイウェイスター" に装着されるエンブレムは、特別な存在感を放つ。

インテリアもより使いやすく変更

 またインテリアもインパネデザインを一新することで、これまでとは違ったイメージの室内空間を作り上げた。

日産 プレサージュ
インパネのデザインが大幅に変更され、操作性が飛躍的に向上した。ミニバンに重要な使い勝手を追及してきた格好だ。
日産 プレサージュ
メーターのデザインも変更。独立三眼で常時点灯式になり、ATシフトポジションインジケーター照明も追加されている。
日産 プレサージュ
インパネシフトも使いやすい位置に置かれ、操作性も良好。運転がしやすく親しみやすいミニバンである。
日産 プレサージュ
ハイウェイスターには専用のブラック内装が組み合わせられる。またアルミペダルまで奢られるのも見逃せない。フロントシートはセダンのように快適な空間。
日産 プレサージュ
セカンドシートはシートアレンジによってキャプテン仕様とベンチ仕様に使い分けられる。この柔軟さはさすがだ。
日産 プレサージュ
シートクロス、ドアトリムクロスが変更されたりしており、質感がアップしている。写真のリアシートもスペースこそ広大とは言えないが、雰囲気がいいので快適だ。

プレサージュらしい装備はきっちり継承

日産 プレサージュ

 装備や仕様に関しては、サイドビューカメラであるとか、ガラスハッチだけが開くバックドア、簡単な操作でアレンジできる3列目シートなど、これまでプレサージュが強みとしていた部分を引き継いでいる。

売れ筋の2.5リッターは4速ATなのが残念……

日産 プレサージュ

 パワートレーンは基本的に変更を受けていないので、走りに関しては大きな違いはないが、足回りのチューニングを煮詰めるなどして走りの質感を追求しているという。

 売れ筋になるのは直列4気筒2.5Lエンジンを搭載したモデルで、従来はこれが90%以上を占めていた。今後も2.5L車を中心に売れるのは当然で、競合車と比べても中低速域のトルクに優れたエンジンとしてミニバンにふさわしい走りを実現する。

 ただ、ATが4速というのはちょっと残念なところ。今ではミニバンにも5速や6速のATが採用される時代だけに、プレサージュの2.5L車はやや置いて行かれた感じだ。3.5L車には無段変速のCVTが組み合わされるし、同じ日産のセレナには2.0LエンジンとCVTの組み合わせがあるのだから、プレサージュの2.5L車が4速ATでなくても良いように思う。

 3.5L車は大排気量がもたらすトルクと滑らかなCVTとの組み合わせによって、余裕のクルージングが楽しめる。

ミニバンらしく柔らかめの足回り

日産 プレサージュ

 足回りはどちらも柔らかめのチューニングで、乗り心地に関しては文句のなレベルにある。山道を積極的に走ろうとするようなシーンではロールの出方がやや急な印象も受けたが、そうした走りをするタイプのクルマでないことも確かだ。

日産 プレサージュ
日産 プレサージュ
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オススメは2.5リッターのハイウェイスターだ!

 お勧めグレードは250ハイウェースター。価格的にはやや高くなるが、エアロパーツをまとった外観だけでなく、快適装備の充実度も高いのが魅力。3.5L車は価格が高くなりすぎるのでお勧めしにくい。

代表グレード
250ハイウェイスター
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4865×1825×1685mm
車両重量[kg]
1730kg
総排気量[cc]
2488cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
163ps(119kw)/5200rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
25.0kg・m(245N・m)/3600rpm
ミッション
4AT
10・15モード燃焼[km/l]
11.0km/l
定員[人]
8人
税込価格[万円]
268.8万円
発売日
2006/05/29
レポート
松下 宏
写真
和田清志
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