知名度抜群のブランド、その名は「スカイライン」

スカイライン。「トヨタ クラウン」「同カローラ」といった車名と並んで、歴史も長くまた非常に高い知名度があるブランドだ。「サニー」「パルサー」「シルビア」といったビックネームを次々にバッサバッサとリストラしていった日産のカルロス・ゴーン氏も、「スカイライン」と「Z」の名前だけは残すほどなのだから、それだけ日産を象徴する大事な大事なブランドだということ。そんなビックネームの一方が、この秋新型に生まれ変わるという・・・
日産新型スカイラインセダン(※写真はインフィニティG35セダン)
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で・・・スカイライン、って結局どんなクルマ?

 ゴーンさんにも一目置かれる日産の伝統的ブランド「スカイライン」。これが実際のところ、結構面倒なことになっているように思えてなりません。

 だいたい、スカイラインの名からイメージするモデルを聞いたとすれば、口々に 「ケンメリ」「箱スカ」「GT-R」「ジャパン」「DR30」「西部警察(!)」「鉄仮面」「V35クーペ」などと、実に様々なモデル名が飛び出してくるはず。誰もが様々なイメージを持っていて、でも結局どういうクルマなのか誰も説明できない、そんなクルマなんですよね。
 中でも、比較的最近のモデルである(とはいえ、既に10数年前のネオクラシックモデル!) 「R32 GT-R」「同GTS-t タイプM」に代表される 「スポーツ」なイメージ(走り屋系) は、混沌としたスカイラインにおいても明確に強い印象があるように思えます。
 それゆえ、現行V35スカイラインが高級なGTセダンとしてデビューしたとき、多くのスカイラインファンは「??むむむ??」と首をひねったのではないでしょうか。『なーんか、イメージ違うんだよなあ〜』と。
 ただ、じゃあどうなって欲しかったのかも明確ではなかったから、「丸型テールランプがないなんて!」という表面的かつヒステリックな反応になってしまったように思えるのです。
いまだに高い人気を誇るR32型スカイラインGT-R
いまだに高い人気を誇るR32型スカイラインGT-R
今のところ最終モデルとなるR34型スカイラインGT-R
今のところ最終モデルとなるR34型スカイラインGT-R
日産現行スカイライン、通称V35セダンと同クーペ
現行型スカイライン、通称V35セダンと同クーペ

 さて、そんな反応が来ることは日産も先刻承知のようで、後から追加されたクーペではTVCMにおいて豪華なケンメリなどのハイソ系「GT」のイメージとダブらせてみせたりして、オトナのファンの郷愁をくすぐる戦法に出てきました。
 そう、あえて汗臭い走り屋イメージは影を潜ませて、スカイラインシリーズ全体のグレードを向上させる、実に巧妙な戦略を仕向けたんですね。それでいて、伝統の丸テールランプは復活。これなら古くからのファンも満足、と。
 「走り屋のクルマ」スカイラインは、気付けばチョイ悪オヤジが乗るような「オトナ向けの高級なクルマ」になっていた、というワケです。

新型スカイライン(※写真は北米向けインフィニティG35セダンのプロトタイプ)
一見すると先代の改良版に見えるボディも、良く良く眺めてみるとなかなか肉感的な躍動感溢れるデザインだということが分かるはずだ。
新型スカイライン(※写真は北米向けインフィニティG35セダンのプロトタイプ)
写真は全て北米仕様「インフィニティG35セダン」のプロトタイプのもの。前後のロゴマークなどがスカイラインとは異なるところとなるだろう。
新型スカイライン(※写真は北米向けインフィニティG35セダンのプロトタイプ)
スカイラインらしく、走りのイメージもさりげなくアピールする、そんな画像だ。早く新型スカイラインをこの手でドライブしてみたい!

期待大!スポーツ風味を増した新型スカイライン

 既に今春のニューヨークモーターショーでそのスタイルが発表されている今度のスカイラインセダン。写真で見る限りは一見キープコンセプトのようです。ただしその写真をしみじみ眺めてみると、なかなかに肉感的というか『メリハリボディ』しているじゃないの。いやあ、カッコイイじゃないですか〜!ってワタクシのような素人に言われたかぁない、ってハナシだけど。
 現行V35セダンに続き、目指すところは「打倒BMW3シリーズor5シリーズ」。つまり高級なFRスポーツセダン。同じ狙いで攻める「レクサスIS」よか、イイ線いってるのでは。

 しかも今度のスカイラインに積まれるユニットは、今までのVQ35DEからガラッと内容が変わり、相当にスポーティなエンジンへと進化する模様。その名は「VQ35HR」。大排気量エンジンでは珍しく実に7500rpmまで吹け上がるという、相当なスポーティエンジンらしい!これは期待が持てそう。シャシーも現行のモノを継承しつつ、設計思想は一新しているとか。良いところはそのままに、さらに先代モデルに欠けていた「スポーツイメージ」(すなわち「スカイラインらしさ」)が随分と復活しているようなんですね。こりゃあ早いところ乗ってみたいぞ。
 登場はこの秋。今から、指折り数えて待ってみますか!
新型スカイラインのインパネ(※写真は北米向けインフィニティG35セダンのプロトタイプ)
先代に比べ質感も高まったというインテリア。V35のポップアップ式から、操作系も含めインパネ正面にきっちり収まるようになった大画面モニターに注目!
新型スカイラインのフロントシート(※写真は北米向けインフィニティG35セダンのプロトタイプ)
07年式インフィニティG35では運転席は8ウェイ式、助手席も4ウェイ式のパワーシートが標準装備だという。
新型スカイラインのリアビュー(※写真は北米向けインフィニティG35セダンのプロトタイプ)
「インフィニティ」は日産の高級ブランド。トヨタにおける「レクサス」のような存在だ。ただし日本における展開は未定なのだとか。

( ※本稿の新型スカイライン写真は全て北米仕様「インフィニティG35セダン(プロトタイプ)」 )

written by 徳田 透

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達人プロフィール: 徳田 透
職業:町のクルマ好き
1歳の誕生日、母に抱えられ出かけて以来、一度も欠かさず東京モーターショーに通い、『自動車ガイドブック』を絵本代わりに育つ。クルマ以外にも鉄道・バスといった陸を走る乗り物ならみんな大好き。単なる「マニア」とも言う。