富士重工業は6月29日、国内のスバル販売会社が行なっているボルボ事業を見直し、出資特約店7社15拠点を輸入車販売業大手のヤナセグループに営業譲渡すると発表した。そのうち、11拠点については拠点譲渡の形で、2拠点は商圏譲渡の形で、2拠点は譲渡される拠点に商圏統合する形で承継されるとのこと。
 具体的な諸条件については、富士重工業、各出資特約店、ヤナセ、ボルボ車の日本での輸入者であるピー・エー・ジー・インポート(PAGI)との間で現在調整中とのことで、ヤナセグループは8月から9月にかけてボルボ車の新車・中古車販売とアフターサービスを開始するという。

 また、今回の営業譲渡を機に、富士重工業は、出資特約店のボルボ事業を見直す検討を始めた。具体的には、現在ボルボ事業を行なっているスバル販売会社14社36拠点のうち、同社の出資特約店9社27拠点でのボルボ車の販売、アフターサービスを見直し、PAGIが選定する事業承継者へ営業譲渡を進めていく予定とのこと。また、今後、事業の見直しを進める拠点については、一部を除き基本的には改修を行い、スバルの新車販売強化のために活用するという。

 富士重工業は、1988年5月、ボルボ・カー・コーポレーションとその日本法人ボルボ・ジャパン(現PAGI)との間でボルボ車の国内販売協力に合意、同年10月からスバル販売会社6社9拠点で販売を開始。当初、富士重工業ではスバルの商品ラインナップにない上級車を扱うことで個性化・高級化する
ユーザーニーズに幅広く対応するとともに、スバル販売網を強化することを狙いとしていたが、17年以上が経過した現在、スバルとボルボ両ブランドの商品構成も大きく変化し、一定の役割を終えたと判断したことも今回の検討にいたった理由の1つとしている。