日産は27日、同社のCSR(企業の社会的責任)に関する考え方や活動をとりまとめた「日産サステナビリティレポート2006年版」を発行した。2004年から数えて3回目の発行となる今回のレポートでは、新たに設定したCSRに関する企業方針と9つの重点分野を公開している。

 CSR方針では、「日産のあらゆる活動は、倫理的行動、高い透明性に裏打ちされたコーポレートガバナンス(企業統治)、そして多様性の尊重のうえに成り立っている。私たちが目指すのは、企業として持続的な利益ある成長を追求すると同時に、持続可能なモビリティと社会の実現に向けて、積極的に貢献していくことである」と述べている。
 また、「誠実、品質、安全、経済的貢献、環境、バリューチェーン、ブランド、社員、社会貢献」の9項目を、CSRの推進における重点分野・価値として定めている。同社では、この9項目の進捗を管理する指標を設け、その進展状況を次年度版のサステナビリティレポートから掲載し、公表していく予定とのこと。

 カルロス ゴーン社長は、「CSR(企業の社会的責任)とは、経済活動、環境配慮、社会性という3側面でバランスのとれた経営を行い、さまざまなステークホルダーに価値を提供していくこと。これは、私たちが2005年4月よりスタートした経営計画 『日産バリューアップ』で掲げる、“あらゆるステークホルダーへの価値創造”という目標と合致する概念である」と語っている。ステークホルダーとは、お客さま、株主、社員、販売会社、部品メーカー、および同社が事業を営む地域社会のことを指している。

 また同社では、CSRに関する戦略の推進、社内外コミュニケーションの促進を図ることを狙いに、2005年4月、広報部門内にCSRグループを設置し、担当の執行役員を任命、加えて、「CSR ステアリング コミッティ」を設置、全社視点でのCSRマネジメントをスタートさせている。

 なお今年度から、従来から発行してきた「環境報告書」を、「サステナビリティレポート」に統合するとのこと。