フェラーリ599

　フェラーリの最新12気筒モデル、599が3月のジュネーブ・ショーで公開されて約3ヵ月。イタリアのマラネロ本社では、5月初旬から国際試乗会が開催され、欧州での販売はすでに開始されている。ただし本国で「フェラーリ599GTBフィオラノ」としてリリースされる、この最新V12の車名は、日本では商標の関係で「フェラーリ599」というモデル名で販売されることになりそうだ。これまで360モデナや612スカリエッティというモデルが出されてきただけに、少し残念ではあるが……。日本へは今年秋頃の導入が、予定（日本での価格は現在のところ決定していない）されている。

フェラーリ599

　この599のフロントに搭載されているエンジンは、先代の575MマラネロのF131型を踏襲したものではなく、世界限定399台（実は400台目がチャリティに出された）のスペシャルモデルであるエンツォ・フェラーリだけに与えられたF140型のデチューン版V12を積むことから、発表当初からパフォーマンス的に大きな注目を集めてきた。

フェラーリ599

　実際、試乗会に参加したジャーナリストによれば、やはり620psのパワーは、599に驚異的な運動性能を与え、それでいて乗り味はラグジュアリーで、まさに究極のグランドツーリングカーだという。ステアリングホイール上部には、エンツォ・フェラーリと同じように、F1マシンのようなシフトアップポイントインジケーターが備えられ、ドライバーを刺激する演出も盛り込まれているのだ。

　前評判が高かったこともありフェラーリには相当数のオーダーが舞い込んでおり、これまで550マラネロ／575Mマラネロ時代に記録した歴代最高販売台数となる5700台を越えるのは間違いないだろう。V8モデル、F430のバックオーダーもかなり抱えている状況のため、マラネロの本社工場は、生産が追いつかないという、状態での稼動がしばらく続きそうだ。

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