"コルベットZ06" ってどんなクルマか?
コルベットはGMを代表するスポーツカーとしてルマン24時間レースやアメリカンルマンなどの耐久レースで活躍しているが、そのモータースポーツを起源とする最新技術やさまざまなノウハウを注ぎ込んで作られた特別仕様車がZ06だ。
Z06が特別なクルマであることは外観を一目見ただけで分かる。シルエットこそコルベットのものだが、迫力いっぱいのアグレッシブなデザインは、このクルマが並みのクルマではないことを明確に示している。ボディサイドを見ると、フロントにはエアアウトレットが、リヤのホイール前にはエアスクープが設けられている。このあたりがモータースポーツのノウハウの一端だ。
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強烈なエンジンと6MTによる豪快な走り
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搭載エンジンはLS7型のV型8気筒7.0リッターエンジンだ。動弁機構がOHVなので古くさいエンジンと思われるかも知れないが、どっこいそうではない。GMの最新技術が盛り込まれ、376kW(511ps)の圧倒的なパワーを発生するエンジンに仕上げられている。
しかもその吹き上がりのフィールが凄い。7000回転から始まるレッドゾーンまで一気に吹き上がっていくだけでなく、文字通りシートに体が押しつけられるような猛烈な加速感を味わわせてくれるのだ。
6速マニュアルトランスミッションの1速ギアで発進してそのまま引っ張ると、7000回転まで達した段階でメーターは時速100kmを示している。1速ギアでこの車速なのだ。これに要する時間もわずか4秒ほどという。公道ではとても試すことができなかったが、大雑把な計算をすると2速では150kmくらいまで伸びるはず。この豪快な加速感はほかのクルマでは味わえないものといっても良い。
ハンドリングだってハイレベル!
ステアリングはしっかりした手応えのあるもので、クイックなレシオによってダイレクトな操舵フィールを実現する。サスペンション形式は通常のコルベットと同様だが、レースシーンも想定してさまざまな部分が強化されているほか、高い操縦安定性を発揮するパフォーマンス・ハンドリング・パッケージも採用されている。箱根のワインディングを走らせても、車体をロールさせることなく、安定した姿勢でぐいぐい走っていくのはさすがという印象。
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タイヤサイズからブレーキまでハイチューン仕様
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タイヤサイズも凄い。前輪が275/35ZR18で、後輪は実に325/30ZR19となる。ブレーキシステムもZ06専用のもので、フロント6ポッド、リヤ4ポッドのピストンキャリパーを持ち、パッドもピストンごとに用意されるので合計20枚のパッドとなる。これによるストッピングパワーも強烈なもの。姿勢を乱すことなく一気に減速させていく。
Z06の走りは凄まじいの一言だが、走行中のエンジン音やロードノイズなども相当に高いレベル。気合を入れて走っているときはともかく、四六時中この騒音の中にいるとそれだけで疲れてしまうほどだ。
●まとめ
このZ06は外観こそコルベットだが、実はクルマの中身からして違う。構造自体は標準車と同じながら、素材はオールアルミ製のフレームが採用されており、大幅な軽量化が図られている。クーペと比べても50kg以上も軽いのだ。そのボディにこのパワーなのだから、豪快な走りが得られるのも当然。
1000万円近いプライスタグが付けられた特別のモデルなので、買おうとするユーザーには相応の覚悟が必要だ。
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代表グレード
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Z06
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ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
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4465×1935×1250mm
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車両重量[kg]
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1440kg
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総排気量[cc]
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6997cc
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最高出力[ps(kw)/rpm]
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511ps(376kw)/6300rpm
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最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
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64.9kg-m(637N・m)/4800rpm
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ミッション
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6MT
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定員[人]
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2名
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税込価格[万円]
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945万円
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発売日
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2006/02
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レポート
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松下 宏
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写真
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佐藤 靖彦
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