グロンホルムがアクロポリスを制覇

 2006年FIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦アクロポリス・ラリーにおいて、BP-フォード・ワールド・ラリー・チームのマーカス・グロンホルム/ティモ・ラウティアイネン組は、レグ1から圧倒的なパフォーマンスでライバルを寄せ付けず、2位セバスチャン・ローブ(クロノス・シトロエン)に、2分26.8秒もの大差をつけ、トップでフィニッシュ。また、チームメイトのミッコ・ヒルボネン/ヤルモ・レーティネン組は、前戦と同様の快走で、2戦連続表彰台となる3位を獲得。

 今年のアクロポリス・ラリーは、ギリシャ・アテネのオリンピック・スタジアムを拠点としたグラベル・ラリーで、総走行距離1,279.29kmのルートには、18ヵ所、総距離355.62kmのSS(スペシャル・ステージ)がレイアウトされている。ルートも大幅に変更され、昨年とはまったく違うイベントとなった。しかし、マシン、ドライバーにとって厳しいラリーであることに変わりはなく、スピードと強靱性、そして信頼性が求められる。乾いた大地を縫うコースは、あちこちに岩が顔を出す上に細かいコーナーが連続し、平均速度が上がらない。さらに気温は30℃を上回ることも珍しくないため、エンジンルーム内を流れるエアフローが限られてしまい、常にオーバーヒートの危険や、鋭利な岩との接触によるパンクに見舞われるリスクがともなう。

 にも関わらすグロンホルムは、全18SS中11SSを制し、驚異的な強さをアピールした。

 「こうしてまた勝利の瞬間を味わえて嬉しい。このところ、スピードにはまったく問題はなかったが、不運に見舞われて結果に繋がらなかった。だが、再び表彰台の頂点に立つことができた。アクロポリス・ラリーでは、いつ何が起こるかわからないので、常に不安につきまとわれていたが、フォーカスRS WRCはタフで速かった」とグロンホルムはコメントした。

 ヒルボネンは、レグ1から好タイムをマークし、4位で終えた。レグ2からは、着実な走りで常に高ポイントでフィニッシュし、3位にポジションを上げた。レグ3では、最終SS18前にセンター・ディファレンシャルが壊れ、スーパーSSは2速ギアでアタックするというトラブルが発生したが、3位をキープし、2戦連続の表彰台を獲得した。

 2006年WRCは、アクロポリス・ラリーで前半戦を終了し、後半戦まで約2ヵ月のインターバルに入る。第9戦ラリー・ドイチェランドは、トリアを拠点としたターマック・ラリーで、8月10〜13日の日程で開催される。