車両自体に問題なし

 フォード・ジャパンでは、2006年型新型エクスプローラーの販売を2005年末に開始したが、同車のステアリング・コラムに採用されている安全装置(点火具)に火薬が使用されていることから、「火薬類取締法」における同法適用除外の申請手続きを、経済産業省に対し行わなければならなかった。この度同安全装置に対する適用除外の申請手続きを行っていなかった事実を確認、フォード・ジャパンは直ちに経済産業省に報告、同省からの指導に従い、適用除外申請が受理されるまでの期間、エクスプローラーの販売を自主的に停止することを決定した。

 新型エクスプローラーのステアリング・コラムに採用された安全装置は、米国で安全基準が強化されたことに伴い、正面衝突試験を満たすために衝突エネルギー吸収システムの一つとして開発されたもの。当該安全措置は正面衝突発生時に作動し、ステアリング・コラムを抵抗なく、縮ませることでドライバーを保護する役割を果たす装置であり、同法適用除外申請が受理されているエアバッグやシートベルトプリテンショナーにも類似したメカニズムが採用されているという。

 2006年型フォード・エクスプローラーは、そのまま引き続き運転していても問題ないという。なお、2006年型以前の旧型エクスプローラーについては当該案件には抵触していないため、特に問題はない。

 フォード・ジャパンでは、法令遵守の立場から、認可取得等にかかわる法的手続きの重要性を十分に認識しており、本年6月末を目処に適用除外の指定が受けられるよう、速やかに申請手続きを進め、早急に販売再開を行いたいと考えているという。

 フォード・モーター・カンパニーでは、米国および日本向けに製造されているリンカーン・タウンカーおよびマーキュリー・グランマーキーのステアリング・コラムに同様の安全装置が採用されていることも確認している。これら2車種はクインランド・カーズ株式会社によって日本に輸入されており、フォード・ジャパンは経済産業省に対して、この事実も報告した。

 本件に関しても法定手続きが完了するまで当該車両の販売を停止するべく、クインランド・カーズ株式会社とも共同で作業を進めているということ。