ホッケンハイムはスリリングな幕開け
2006年4月9日にホッケンハイムでDTMドイツ・ツーリングカー選手権の初戦が行われた。
なかでもトム・クリステンセンとハインツ-ハラルド・フレンツェンの走りは印象的で、巧みな戦略と完璧なピットストップで、トム・クリステンセンが9番グリッドスタートから2 位でフィニッシュ、ハインツ-ハラルド・フレンツェンも8番グリッドスタートから3位に追い上げてチェッカーを受けた。結果としてハインツ-ハラルド・フレンツェンはアウディA4 DTM カーでの初レースで初の表彰台に輝いたことになる。マルツィン・トムツィクは7 位、ティモ・シェイダーも8位に入賞し共にポイントを獲得。アウディスポーツチームアプトスポーツラインはチーム獲得ポイントでトップに立った。
マティアス・エクストロ−ムはスタート直後に6番グリッドから3位に浮上し、1回目のピットストップを素早く行い、昨シーズンの優勝ドライバー、ベルント・シュナイダー(メルセデス)のすぐ後につけた。しかし運悪く、フロント右サスペンションのダメージによりそのままリタイア。クリスチャン・アプトとピエール・カファーも早いタイミングでリタイアとなった。フランク・シュティップラーは2回目のピットストップでトラブルが発生、ポイント獲得のチャンスを逃した。今回がDTM デビューとなったオリバー・ティーレマンスとバニーナ・イクスはそれぞれ13 位と15 位でチェッカーを受けることが出来た。
Dr. ヴォルフガング・ウルリッヒ(アウディモータースポーツ代表)
今回は非常に緊張したレースでした。スターティングポジションを考えれば、我々は今回の結果に非常に満足しています。トム(クリステンセン)とハインツ-ハラルド(フレンツェン)はチームとしてのパフォーマンスを完璧にこなしてくれました。我々は、アウディA4 DTM カーのポテンシャルを証明することが出来ましたし、アウディとメルセデスが共に互角の速さで争うことを証明できました。戦略とピットストップは速い走りと同様、重要な要素です。今日はDTM がどれだけハイレベルな戦いであるかを改めて知ることができました。これからのレースが楽しみです。
トム・クリステンセン
9番グリッドからスタートしたにもかかわらず2位でフィニッシュできたことを嬉しく思います。チームは戦略に従いピットで素晴らしい仕事をしてくれました。そのお陰で私は限界まで走りきることが出来ました。1位のベルント(シュナイダー/メルセデス)をだんだん追い詰めて行った時、勝つ可能性は十分にあると思ったのです。しかし残り11ラップという時に、コーナー出口のカーブストーンに乗り上げた際にステアリング系にダメージを受けてしまった。それ以降私はこれ以上リスクを大きくしないように、左側のカーブストーンからは十分に距離をとって走った。このような状況の中、今回2位でフィニッシュできたことはとてもハッピーです。
チームがこの2位というポジションを与えてくれました。チームに心からお礼を言いたいと思います。
ハインツ-ハラルド・フレンツェン
非常に満足しています。選手権レースでは、開幕早々からトップに位置することはDTM においてとても重要なことです。私の駆るアウディA4 DTM カーがどれだけ素晴らしいかをよく分かっていたので、すべてが完璧にフィットしていれば、それを良い結果につなげることができると思いました。しかしスタート直後すぐに少し調子がおかしいことに気づきました。大きなアンダーステアを感じてアタックすることができず、順位を大きく落とさないためにも注意深く走らなくてはなりませんでした。ですからクルーは私を早くピットに呼び込んだのです。タイヤ交換をしてからは、バランスがまた良くなりました。2回目のタイヤ交換を早めに行うという戦略はうまくいきました。ミカ(ハッキネン/メルセデス)が真後ろに近づいていましたけど・・・。