ランボルギーニ ガヤルド

e-ギヤならスーパーカーもオートマチック感覚

ランボルギーニ ガヤルド

 ランボルギーニ・ガヤルドを目の前にして、久しぶりに心臓がバクバクだ。十数年自動車メディア界にいるが、実はスーパーカーというヤツに今まで乗る機会が一度もなかったからだ。キーを借り(意外とフツー)、扉を開け(ガルウイングじゃないのが残念)シートに腰をおろす。ちょっと緊張感。下半身がムズムズ。
 ドラポジを合わせて、いよいよエンジン始動! と、思った瞬間、ニコニコしながらランボルギーニの担当者がボクに声をかける。「ギヤの入れ方わかります?」、ちょっとそりゃいくらなんでも失礼なんじゃない? と、思いながら右手を見ると、シフトレバーがなーい!! 約3秒後「教えてください・・・」とボク。そう、いわゆる2ペダルのセミATみたいなe-ギヤというミッションが乗っていたのだ。このe-ギヤはシフトレバー付近にあるボタンのAマークを押すと完全オートマチックモード。スポーツを選ぶとシフトスピードが速くなり、ステアリング裏のパドルでアグレッシブに走れるモード。そして低ミュー路用と並ぶ。もちろん、最初の選択はAマークのオートマチックモード。

全身にまとわりつく強烈な加速感

ランボルギーニ ガヤルド

 アクセルをジリジリと踏み、ガヤルドをゆっくりと駐車場から脱出させる。2006年モデルでガヤルドは500馬力から520馬力へとパワーアップされている。8,000回転という高回転で520馬力を発揮する5リッターV10エンジンは、ガロガロッという音を響かせてガヤルドを前方に押し出す。もっと気難しいのかと思っていただけに、ちょっとガックリ。意外とフツー。スーパーカーってフツーじゃん。すぐ、クルマをナメるのはボクの悪い癖。高速道路に入って、待望のアクセル全開! 520馬力V10エンジンが、イッキにそのパワーを解き放つ。ガオォォーと耳の後ろから元気のいい音が聞こえたかと思うと、もう冷静ではいられない。味わったことのない強烈な加速感が全身にまとわりついた。いやぁ、もうたまりません・・・。路面の凸凹はガッツンガッツン体に伝わるが、まあどうでもいいや。だってスーパーカーですから。

意外と優しい猛牛

ランボルギーニ ガヤルド

 ちょっと冷静になる。すると、全幅が1900ミリもあること以外、このガヤルドはすごく扱いやすいことに気が付いた。フルタイム4WD化されているため520馬力のパワーもシッカリと受けてもてくれている。直進性は高く、安定感のあるハンドリングも秀逸だ。少し前に乗った同じ500馬力クラスのGT-Rとはまったく違う。比べること自体が間違いなのかもしれないが、同じ4WDで500馬力なのにチューンドGT-Rはどこに向かって走っていくのか分からない恐さがあったからだ。

コンビニもOKなスーパーカー

ランボルギーニ ガヤルド

 このガヤルドはスーパーカーにありがちな気難しさをまったく感じさせない。少々大げさかもしれないが、コンビニまで買い物・・・。なんて、シチュエーションもOKなほどだ。気難しさがスーパーカーのアイデンティティとするならば、ガヤルドはちょっと違う。気難しさがスーパーカーの味なのか? 荒々しさがドラマやストーリーを生むのか? 答えは分からない。だけど、ドライバーに優しいガヤルドは信頼できるパートナーであることには間違いない。

代表グレード
ランボルギーニ ガヤルド e-ギヤ
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4,300×1,900×1,165
車両重量[kg]
1,430
総排気量[cc]
4,961
最高出力[ps(kw)/rpm]
520(382)/6,500
最大トルク(N・m)
510
ミッション
6速e-ギヤ
最高速度(km/h)
315
税込価格[万円]
2,366.7
写真
佐藤靖彦
レポート
大岡智彦
モデル
川口みさ
達人プロフィール: 大岡 智彦
職業:コリズム編集長
自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。