ホンダが販売系列を統合する3月1日に合わせて投入したゼストは、ホンダにとってライフ、ザッツに次ぐ3車種目の軽乗用車で、軽自動車市場の真ん中に投入するモデルだ。ホンダとしてはライフがまずまずの販売実績を残しているものの女性ユーザーを中心にした売れ方であり、ザッツは低価格の特別仕様車しか売れない状況のため、若い男性ユーザーやファミリーユーザーを意識した新しい軽自動車を投入した。
人が乗ったり、荷物を載せたり、自由自在な使い勝手が可能な軽自動車ということで開発されたクルマだが、基本パッケージングはワゴンRやムーヴなど売れ筋軽自動車と同じハイトワゴン系のもの。ライフとは違う軽自動車を作る必要があったにしても、あまりにも普通に軽自動車市場の中心に投入したクルマという印象。外観デザインも割と普通で特徴に欠けるきらいがある。
軽自動車のボディながら、室内高はステップワゴンと同等の数字を確保したとか、低い位置から大きく開くバックドアによる大きな開口部は荷物の積み下ろしに便利だとか、後席にもしっかりしたシートが用意されて家族で使えるなどの特徴を持つ。