加速、安定感ともに良好!
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ブレーキを踏みながら、左手でイグニッションキーを回す。簡単に水平対向6気筒が目覚める。996に比べると音は静かになったが、はっきりとした力強い音がコックピットに届く。Dレンジに入れ、軽く足をアクセルに載せると軽やかに車は発進し、100mも走らないうちにボディの剛性の高さを感じる。乗り心地は硬いが決して不快ではない。スポーツカーとしては、むしろ良好だ。
高速道路の進入路でアクセルを全開にすると、タコメーターの針が激しく上昇。ほんの数秒で制限速度を超えてしまい、慌ててアクセルを戻すことになる。大きく息を吸い、高速道路を冷静になってアクセルをコントロール。
996では高速でフロントの安定感が足りなかったが、この997はフロントに重いモノを載せたようにドッシリしている。しかも、ステアリングの少舵角に対して正確に追従。それでいてリヤの安定感は変わらなく、極めて安楽に高速道路もクルージングする。
アクセル操作で車をコントロールする自由度は今までの911と変わらず、しかもAWDの為にアクセルオンで安心してコーナリングを楽しめるのも魅力的だ。
前に遅いトラックがいたので追い越し車線に移り、アクセルを深く踏み込むと、素早くキックダウンして強烈な加速が身体を縛る。カタログでは0-100km/h加速5.3秒(MT 4.8秒)でアクセルさえ踏めば誰にでも体験出来る速さだ。パワー(355PS)はもうこれで充分だと思うが、これからターボ(480PS)がデビューする。スピードに対する人間の欲望は尽きない。
裏路地も得意なスポーツカー?
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高速道路から一般道に降りてもATだから、疲労度は最小限でスポーツカーを運転していることを忘れてしまう。ボディの大きさも現在の標準からはコンパクトに入る部類で(全長4.4m、全幅1.85m)狭い路地裏でも幅さえ気をつければ運転はし易い。