鎮魂歌(レクイエム) さらばホンダNSX

ホンダのスポーツスピリット NSX!

 2005年12月27日、孤高のリアルスポーツカーに君臨したホンダNSXが、15年の生涯に幕を下ろした。04年夏までは栃木県の高根沢工場で生産されていたが、その後は三重県鈴鹿の工場に移管して生産を行っている。NSXは日本が誇るスーパースポーツだ。デビューしたのは1990年9月だ。最初はハンドリングがシビアで、雨が降ると全神経を集中させて走らせなければならなかった。が、弛まぬ努力と改良に次ぐ改良によってハンドリング性能を洗練させ、一級の実力を手に入れている。

 オールアルミ製のボディを身にまとったNSXは、92年11月に硬派モデルのタイプRを追加し、95年には爽快なタイプTを設定した。そして01年12月にビッグチェンジを断行し、リトラクタブル式ヘッドランプを固定式に改めている。また、インテリアもモディファイされた。3リッターだったV型6気筒DOHC・VTECエンジンも3.2リッターにスケールアップされるなど、15年の間にさまざまな改良を行っている。スポーツカーの世界でずっとトップランクの実力を保持し続けたのだから凄い。

人気のNSXはミニカーのバリエーションも多い!

 これだけの人気者だ。当然、スケールモデルもたくさん作られている。1/43スケールが主役だが、ビッグスケールの1/24やスモールサイズの1/64の作品も少なくない。ズラリ棚に並ぶくらいバリエーションは多いのだ。もちろん、ロードカーだけでなくレーシング仕様のNSXもミニチュア化されている。レーシング仕様の見どころは、リアルに再現されたエアロパーツとハデハデしいボディカラーだ。また、毎シーズンごとにニューボディに切り換わるから、マシンの進化も楽しめる。

NSXのオーナーになろう!!

 次期NSXはF1エンジンのノウハウを結集したV型10気筒エンジンを積んでデビューすると噂されているが、正式発売されるのは何年も先のことだ。生産を終えたため、今となってはNSXを新車で買うことはできない。が、ミニカーなら今でもNSXのオーナーになることができる。ロードカーだけではない。レーシングマシンのオーナーになることだってむずかしくないのだ。夢は大きく膨らむ。

新・旧揃ったNSX

ホンダNSXシリーズ

 ホンダNSXは、大きく分けると2タイプ。最初のNSXはリトラクタブル式ヘッドランプだった。01年12月以降のNSXは固定式ヘッドランプを採用する。当然、レーシングNSXにも2種類のボディが存在した。

レッドエンブレムが輝くNSX−タイプR

リトラクタブル式ヘッドランプの前期仕様NSX

 リトラクタブル式ヘッドランプの前期仕様NSX。後ろのNSXはロッソ製の1/43スケールで、当時3,500円だった。黒の壁紙にはNSXの設計図が描かれている。下の2つは1/59スケールのトミカで、ホンダマークが赤いタイプRだ。現在、発売されているのは固定式ランプの後期モデル(No81)になる。

2004JGTC参戦モデル

GTチャンピオンシップ参戦モデル「ARTA NSX」

 2004年のジャパンGTチャンピオンシップに参戦していた「ARTA NSX」のスケールモデル。左はエブロ製の1/43スケールで、価格は3,800円。右はトミカのスーパーGTモデルだ。税抜き900円で、TAKATA童夢NSXやレイブリックNSXなどもある。最新作は05年モデルへと進化した。

出来の良さが定評のタミヤ製モデル

GT選手権レーシング仕様のNSX

 こちらもGT選手権レーシング仕様のNSXだ。後方のTAKATA童夢NSXは、出来のよさで定評のあるタミヤ製の1/64コレクターズクラブの作品である。03年シーズンのレーシング仕様で、RX−7やスープラ、MR−Sなどのレーシング仕様も用意された。手前右側はトミカリミテッドのスーパーGTモデル。違いを比べてみてくれ。